サイエンス

2024.03.31 15:00

新たな概念、「ロボセクシュアリティー」「ロボフレンドシップ」とは何か

2. ロボットを友人として見る関係(ロボフレンドシップ)

冒頭で紹介した研究では、男性よりも女性のほうがロボットと友達になりたがっていることがわかった。研究チームはこれを「ロボフレンドシップ」と名づけた。

ロボフレンドシップとは、ロボットと有意義な関係を発展させ、仲間として接することだ。感情的な愛着、サポート、共有体験が含まれ、介護や社会的交流など、人間生活のさまざまな側面にロボットをどのように組み込めるかを反映する。

論文によると、社会的支配志向性が高い女性はロボフレンドシップにあまり興味を示さないという。

研究者たちはこう説明する。「性差別的な信念を是認する人たちは、ロボットとのプラトニックな友情にあまり関心がないと答えた。社会的支配志向性のスコアが低い人は、社会的公正や社会的正義への意識が強く、友情の相互作用に大きな価値を見いだすため、ロボットとの友情により関心を示すのかもしれない」

人間には生まれながらにして、社会的なつながりや仲間を求める欲求がある。社会的交流や有意義な人間関係を築く機会が不足している場合、ロボットは魅力的な代替手段を提供しうる。

人間関係は複雑で、衝突や誤解に満ちている。対照的にロボットは偏見のない、予測可能な交流のかたちを提供し、人々はそこに安らぎを見いだす。さらに、ロボットは拒絶や裏切りのリスクのない一貫した交友関係を提供し、個人の孤立感を和らげることができる。

ロボフレンドシップは、ロボットが可能なかぎり人間らしく見えるように作られ、ユーザーに親切で友好的な反応を示すという事実にも後押しされている可能性がある。

人間とロボットの進化し続ける関係のかじ取りには、注意深さや共感を大切にし、倫理的考察への責任感をもって議論に臨むことが不可欠だ。ソーシャルロボットには、人間の幸福を高め、有意義なつながりを育むことが期待される一方で、見過ごすことのできない倫理的課題も存在する。

しかし、これらの課題を成長と学習の機会として受け入れれば、私たち自身、人間関係、そしてテクノロジー主導がますます進む世界における責任について、より深い理解を培うことができるだろう。

forbes.com 原文

翻訳=藤原聡美/ガリレオ

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