フォーブスの推定では、大谷はグラウンド外で、税金や代理人手数料を差し引く前の数字で年間6000万ドル(約91億円)を稼いでいる。米国企業ではファナティクスやセールスフォース、ニューバランス、日本企業ではセイコーやコーセー、ディップ、西川など、数多くの企業とスポンサー契約を結んでいるためだ。
フォーブスのランキングで2年連続「野球界で最も稼ぐ選手」となった大谷と収入面で肩を並べるほどのアスリートは、スポーツ界全体でもほとんどいない。選手以外の活動で年間6000万ドル以上を稼いでいるのは、バスケットボールのレブロン・ジェームズ、サッカーのリオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド、そしてゴルフのタイガー・ウッズの4人だけだ。
大リーグのMVP(最優秀選手)にも2回選出されているその大谷がいま、清廉潔白なパブリックイメージと莫大な収入を脅かされる事態に初めて直面している。周知のとおり、通訳を務めていた水原一平をめぐるスキャンダルに巻き込まれているのだ。水原は違法な賭博でつくった借金を返済するために、大谷から450万ドル(約6億8000万円)を盗んだとされる。
水原と、大谷の危機管理担当の広報は当初、大谷が友人・水原のトラブルの解決に手を貸したと示唆していたが、のちに双方とも撤回した。大谷は25日(日本時間26日)に記者会見を開き、水原の行動についてはいっさい知らなかったときっぱり否定した。自身は「何かに賭けたりとか、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それを頼んだりということはない」とも述べ、この問題は弁護士に任せ、当局の捜査に全面的に協力する意向を示した。
言うまでもなく、スポーツマーケティングのスーパースターで、細心の注意を払って守ってきた自身のイメージが損なわれかねない危機に見舞われたスポーツ選手は、大谷が初めてではない。