今、ラテンアメリカの投資市場は熱を帯びつつある。この地域で廃棄物エコシステムを構築する上で、2024年が転機の年になりそうな理由を4つ紹介する。
1. アセットマネジャーが豊富な手元資金を持っている
2023年の間はおおむね様子見に徹してきたゴールドマン・サックス・アセットマネジメント(GSAM)、ジェネラル・アトランティックといった大手PEファームや、より小規模なVCファンドには、豊富な手元資金があり、投資先を探している。ラテンアメリカへのVC投資状況をまとめているラテンアメリカ・プライベートエクイティ&ベンチャーキャピタル協会(LAVCA)の最新ニュースレターによると、地域で活動する複数の大手ファンドが、気候技術からAI(人工知能)までさまざまな先進的な取り組みを進める企業への新規投資に前向きだ。
2023年の総投資額はパンデミック以前と同水準だったが、公開取引の総数は、シード投資家の参加増に後押しされて記録上3番目に取引数が多かった2020年と比べて43%増加した。ベンチャー投資も前年比で40%増加しており、この傾向は今年も続くだろう。
ブルームバーグによれば、投資家が注目しているのはバイオテクノロジー、ヘルスケア、金融サービス(決済システム企業やバンキングプラットフォームなど)だ。
2. 公共政策の改善がプラスチック廃棄物削減の取り組みを後押し
ラテンアメリカは、公共政策面で先進的な取り組みを進めている。それは、コロンビアが今年11月の国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)の主催国となり、ブラジルが2025年に気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)を主催することからも明らかだ。チリとコロンビアは拡大生産者責任(EPR)を法制化し、地域を先導している。こうした画期的なイニシアチブは発足したばかりであり、全面施行はまだ先のことだが、大きな前進といえる。製品ライフサイクル全体に対する説明責任を生産者に負わせるという強い決意があることの表れだ。
パナマとブラジルも、プラスチック汚染削減を公約し、使い捨てプラスチック製品の3年以内の廃絶、プラスチック包装の輸入と消費を5年以内に30%削減すること、バージンプラスチックの輸入削減を掲げている。