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2024.04.05 10:00

高齢化が進むアフリカ、爆発的に増加する人口とその対策

若年人口を多く抱えるアフリカの国々には、この人口構成を追い風にして経済をさらに成長させるチャンスがある。現代のアフリカの若者は一般的に、将来に楽観的で、ソーシャルメディアを積極的に利用し、革新的なアイデアを生み出している。しかし残念ながら、雇用やメンターとなる人々など、若者が持つ可能性を十分に生かすための後押しとなる要素は大幅に不足している。

アフリカは今こそ、世代間の協力が生む力を活用すべきだ。若者と年長者が共に働ける環境の整備には、雇用主と多様な年齢層からなる従業員の双方にメリットがあるはずだ。

起業家として事業を立ち上げようとするアフリカの若者が増えている中、米ブルッキングス研究所が報告書「Foresight Africa 2024」で指摘しているように、起業家精神をさらに活性化することも重要だ。年長者は、メンターやビジネスパートナーとして若者たちの新事業に参加できるだろう。

また、若者が労働人口に加わるにつれて、雇用主や各国政府はすべての年齢層の働き手を対象とした適切な政策を策定しなければならない。起業を促進する他の政策としては、たとえば資金を調達しやすい制度の確立、適切なインフラ構築、そしてイノベーションに価値を置く文化の醸成などが挙げられる。

一方、高齢化に伴う変化を肯定的に受け入れるよう市民を教育し、人生後半に生じる課題やチャンスに関する啓発を行うことも、優先事項となる。アフリカ社会は心身の健康維持にもっと投資すべきだという点を、ここでもう一度強調しておきたい。具体的な施策の例としては、年長者にストレスを認知して影響を軽減するよう対処するコーピングのスキルを身につけてもらうことや、あらゆる年代の人、特に若者に対して、禁煙、体を積極的に動かすこと、飲酒を少量か適量にとどめること、健康に良い食べ物を選ぶことを促すなどが考えられる。

アフリカ社会は、一族の血脈を保ち、社会的地位を受け継がせるために、子どもを持つことに高い価値を置いている。だが、それだけを社会の価値観とすべきではない。高齢化社会への移行を成功させる上で、アフリカには活用できる道筋がもう一つある。それは、高齢者に敬意を払う文化の有効活用だ。アフリカの高齢者は、地域社会の重要な構成員だ。彼らは高い影響力を持ち、同年代の人々や若い世代、社会から、知識やアドバイスを求められる立場にある。

こうした姿勢を、南アフリカの神学者で反アパルトヘイト運動の先頭に立った故デズモンド・ツツ大主教は、次のように表現している。「年をとっても、私たちが持つ権利は変わらない。年をとったからといって、人間であることに変わりはなく、『見えない存在』になるべきではない」

行動を起こすべき時は、今だ。

forbes.com 原文

翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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