宇宙

2024.03.29 14:00

天の川銀河中心のブラックホールの偏光画像、EHTチームが公開


銀河系中心のブラックホールいて座A*と超巨大ブラックホールM87*とのサイズを比較した画像(EHT collaboration (acknowledgment: Lia Medeiros, xkcd))

銀河系中心のブラックホールいて座A*と超巨大ブラックホールM87*とのサイズを比較した画像(EHT collaboration (acknowledgment: Lia Medeiros, xkcd))

偏光

ねじれた強力な磁場の存在を画像で明らかにするカギとなったのは、ブラックホール近傍の偏光を利用することだ。電磁波の特定の方向に偏った振動(偏光)を利用すれば、ブラックホール周辺の粒子が磁力線に巻きつくように運動して特徴的なパターンを形成するのを、天文学者が「見る」ことができる。

今回の観測は、世界8カ所の望遠鏡をつなぎ、地球サイズの仮想望遠鏡「EHT」を構成することで可能になった。EHTに参加した望遠鏡は、アルマ望遠鏡とAPEX(チリ)、IRAM 30m望遠鏡(スペイン)、ジェームズクラークマクスウェル望遠鏡とサブミリ波干渉計(米ハワイ州)、アルフォンソセラノ大型ミリ波望遠鏡(メキシコ)、サブミリ波望遠鏡(米アリゾナ州)、南極点望遠鏡だ。

その後、グリーンランド望遠鏡(グリーンランド)、NOEMA観測所(フランス)、アリゾナ大学キットピーク12m望遠鏡(米アリゾナ州)がネットワークに加わった。EHTの次回は4月にいて座A*を観測する予定になっている。今後に計画されている拡張により、いて座A*の動画の作成が可能になると、EHTチームは明らかにしている。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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