スティーブ・ジョブズのサイン入り名刺が「約2700万円」で落札

スティーブ・ジョブズのサインが入ったアップルコンピュータ時代の名刺(スクリーンショット)

電子署名やスクリーンへの書き込み、人工知能(AI)生成の複製などを目にする機会が増えるにつれ、筆者は手書きの署名の将来について考えることがある。

幸い、サインや署名への関心は依然として高い。その証拠に、米競売会社RRオークションがこのほど実施した競売で、スティーブ・ジョブズのサインが入ったアップルコンピュータ時代(1983年頃)の名刺が、18万1183ドル(約2700万円)という驚異的な値で落札された。ジョブズのサインが入ったアップルコンピュータの名刺で、真贋鑑定とグレーディングサービスのPSAの鑑定とDNA鑑定に合格したものは5枚以下であるため、3月21日に終了した今回のオークションは、この手の貴重なもののが好きな人にとって魅力的な機会となった。

ボストンを拠点とするRRオークションが実施した競売「スティーブ・ジョブズとアップルコンピュータ革命」では、テクノロジーの歩みを物語る歴史的な品々も出品された。アップル共同創業者スティーブ・ウォズニアックのサイン入りApple-1コンピュータが32万3789ドル(約4900万円)、スティーブ・ジョブズのサインが入った1976年のアップルコンピュータ社の小切手(番号3)は17万6850ドル(約2670万円)で落札された。さらに、封がされたままの初代iPhoneの落札価格は14万7286ドル(約2220万円)だ。こちらにはサインは入っていない。

「スティーブ・ジョブズのサインが入ったアップルコンピュータ社時代の名刺が18万ドルを超える額で落札されたことは、サイン入り名刺の新たなスタンダードとなった」とRRオークションのエグゼクティブバイスプレデントのボビー・リビングストンは話した。「ジョブズの不朽の遺産と、アップルが現代に与えた絶大な影響の証だ」

今回のオークションに出品されたその他のものには、1978年にタイプされたビル・ゲイツの署名入りの手紙がある。この手紙では「コンピュータ言語BASICを売る」ハードウェア企業としてアップル、Atari(アタリ)、RadioShack(ラジオシャック)を挙げている。こちらは7万5821ドル(約1140万円)で落札された。また、イーロン・マスクのサイン入りスペースXの名刺の落札価格は3万9238ドル(約590万円)だった。
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翻訳=溝口慈子

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