教育

2024.04.01 13:00

AIが促す企業の「採用と育成の再考」

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こうした見解を唱える人物の1人に「恵まれないコミュニティ」の人々へコンピュータ教育を施し、彼らを雇用に繋げる活動を非営利で行うKura Labs(クラ・ラボ)の創立者でCEOのシェルドン・ギルバートがいる。彼は、AIが登場する前から雇用側は必要とするスキルを持った人材を抱えていなかったという問題があると主張する。最近のインタビューで彼は、エンジニア人材の育成パイプラインが「この20年ひどく不十分だった」と述べている。そして多くの大学で教えられているコンピュータサイエンスは、企業のニーズから「切り離されて」いたと付け加えた。結果として「エンジニアが仕事の中で学ばなければならない状況が、一世代にわたって続いている」のだ。
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ギルバートはまだ、最終的にAIが人間を置き換えると確信しているわけではない(AIに置き換わるのではなく、むしろAIの使い方を知っている人に取って代わられる可能性が高いと考えている)。しかし、彼はAIが企業にスキルセットの再評価を迫っていると考えている。彼は「企業は、AIがビジネスモデルを侵食するのか、あるいは、どう活用すれば良いかを模索しているのです」という。

その再評価の一環として、各社は従来の大学資格が以前ほど意味を成すのか見直している。ますます多くの人が教育費の高騰に苦しむ今、従来のルートにとらわれないエンジニア人材を探す時期だとギルバートは考える。これこそ、今年の初めに篤志家マッケンジー・スコットから寄付を受けたKura Labsが行う事業だ。雇用側は、問題解決能力、システム思考、旺盛な好奇心、そして優れた労働倫理を持った人材を探していると口にするが、そのような特性は大学卒業生だけが持っているわけではない。これらの資質は人口全体に「等しく分布している」とギルバートは信じており、恵まれない環境出身者の方が、より上を目指そうとする強い意欲がある場合すらあると断言する。

テクノロジーの世界におけるこの再評価の影響は、ギルバートの言葉を借りれば、以前は「無敵である」かのように振る舞っていたソフトウェアエンジニアたちが、今では自分の職を心配するという状況が見受けられる。しかしその影響はさらに広がっている。彼は、テクノロジーが「ブルーカラー」労働者に打撃を与えた従来のパターンをAIが逆転させたと指摘する。この傾向は、法律、会計、銀行などの分野で新卒者の募集数が急速に減少していることからも明らかだ。
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forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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