北米

2024.03.27 14:00

急成長する中国eコマース「Temu」も米国で禁止される懸念

香港に本拠を置くArete Researchのシニアリサーチアナリストであるショーン・ヤンは、一部の投資家がPDDの業績見通しを不安視し、利益確定を図ったと指摘する。中国では、年初にeコマース企業の業績が低迷する傾向にあり、同社も2024年第1四半期は減速する可能性が高い。その一方で、第4四半期には「独身の日」などの大規模なセールがあり、売上拡大が期待できる。

TikTokと同様のリスク

海外においては、Temuの事業が地政学的リスクに直面している。米国では、バイトダンス傘下のTikTokに強制売却や全面禁止の可能性が出ているが、投資家はTemuが同様のリスクに直面することを懸念している。

Temuは、TikTokと同様に米国を主要市場としており、スーパーボウルなどの大きなイベントの際には多額のマーケティング費用を投じ「ビリオネアのように買い物をしよう」といったスローガンで米消費者に格安商品の購入を促している。ユーザー数はTikTokに及ばないが、米政府がTemuを次の標的にする可能性は否定できないと、上海の調査会社86Researchのアナリストであるワン・シャオヤンは指摘する。

「短期的にさまざまなリスクに直面しているため、投資家はTemuを高く評価していない」という。

投資調査プラットフォームSmartkarmaでレポートを公表しているアナリストのエリック・チェンは、1月のリサーチノートでPDDに関する他の問題点を指摘した。彼は、同社が成長を持続するためには低価格商品だけでなく、高価なブランド商品の販売を強化する必要があるが、この分野の進歩は予想より遅れていると彼は述べている。

86Researchのワンも、同社の事業規模が大きいため、国内成長は鈍化すると考えている。しかし、彼女は同社がプラットフォーム手数料を増やすことで利益拡大を図れると指摘している。ワンは、今年のPDDの国内売上が25%上昇し、利益は30%以上増えると予想している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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