北米

2024.03.27 14:00

急成長する中国eコマース「Temu」も米国で禁止される懸念

コリン・ホアン(VCG/VCG via Getty Images)

コリン・ホアン(VCG/VCG via Getty Images)

格安eコマースアプリ「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」とその海外版「Temu(ティームー)」で知られる中国のEコマース大手PDDホールディングスは3月20日、好調な決算を発表した。これを受け、同社の創業者である黄崢(コリン・ホアン)の資産は16億ドル増え、466億ドル(約7兆494億円)に達した。中国第2位の富豪となった黄だが、今後はその地位を維持するのに苦労するかもしれない。

現在44歳の黄は、2021年にPDDの会長を退いているが、彼の資産の大半は同社株が占めている。現在の同社を率いているのは、創業メンバーの陳磊(チェン・レイ)だ。PDDの2023年第4四半期の売上高は前年同期比123%増の125億ドル、純利益は同146%増の33億ドルだった。

中国経済が低迷し、アリババやテンセントなどの同業大手の四半期売上高が1桁成長にとどまる中、PDDのコンセンサスを上回る好決算は中国のハイテク業界において際立っている。同社が3桁成長を成し遂げた主な要因としては、効果的な割引戦略によって価格に敏感な顧客層を引きつけたことと、海外市場向けのTemuの急拡大が挙げられる。

同社は、20日のアナリスト・コールの中で、Temuがリリースから2年弱ですでに50の国と地域で展開していることを明らかにしたが、詳細な業績は開示しなかった。ナスダックに上場するPDDの株価は、20日の決算発表後に激しい値動きを見せた。当初は15%上昇したものの、その後は値を下げ、結局3.5%高で取引を終えた。それでも、黄の資産は1日で16億ドル増えた。
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編集=上田裕資

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