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2024.03.27 13:30

賭博問題に巻き込まれた大谷翔平、今後どうなるのか 4つのシナリオ

2. 大谷はスポーツ賭博をしたが、野球は対象でなかった場合

仮に捜査や調査の結果、大谷がなんらかの形で水原を介して野球以外のスポーツで賭け事をしていたことがわかった場合、ルール21によれば、ロブ・マンフレッド・コミッショナーの裁量で非公開の金額が罰金として大谷に科せられる。

ルール21にはこうある。「違法な胴元、または違法な胴元の代理人を相手に賭けを行った者は、その行為の事実や状況と照らして、コミッショナーが適切と考える罰則を受けるものとする」

このケースは少し前に先例がある。2015年、当時マーリンズの投手だったジャレッド・コザートは、野球以外のスポーツで賭博をやっていたことが発覚した。大谷が「警察当局に全面的に協力したい」と述べたように、コザートも捜査・調査に協力する意向を示していた。

3. 大谷がスポーツ賭博をしていて、違法な胴元との関係もあった場合

このシナリオは浮上していないが、水原をめぐる問題は目まぐるしく変わっているので、念のため提起しておく価値はあるだろう。ルール21には、違法な胴元と直接関わった場合の規定もある。この場合、罰則は出場停止だ。

「違法な胴元を営んだ、または違法な胴元業のために働いた選手、審判員、または球団もしくはリーグの役職員は、コミッショナーから最低1年間の出場停止処分を受けるものとする。ここで違法な胴元とは、賭け金を受け取る司法管轄区域で違法とされている賭博行為の一環として、一般人を相手にスポーツイベントへの賭け金を受け取る、賭ける、または扱う個人をいう」

繰り返しになるが、今回の件はこのケースには該当しなさそうだ。違法な胴元と直接関与したのは水原とみられ、水原がボウヤーを相手にお金を賭けた結果、ボウヤーに対して負債が生じたとされる。

4. 大谷がスポーツ賭博をしていて、野球も対象だった場合

万が一、大谷がスポーツ賭博をやっていたばかりか、その対象に野球も含まれていたとすればどうなるか。この場合、さらに2つのケースに分けられる。

大谷が賭けた野球の試合に、自身がプレーした時期のエンゼルスかドジャースの試合が含まれていなかった場合、ルール21によれば「1年間の不適格を宣告」される。

一方、大谷自身が出場した試合やプレーしたチームが賭けの対象に含まれていた場合は、1989年に監督在任時の野球賭博への関与でピート・ローズが受けたのと同じ処分が下される。

「選手、審判員、または球団もしくはリーグの役職員で、義務を果たすべき野球試合に、いかなる金額であれ賭けを行った者は、永久に不適格と宣告されるものとする」

これは最悪の結果である。大リーグの顔、大リーグ最大のスーパースターである大谷が、その大リーグから永久追放されてしまうのだ。ローズや、ブラックソックス事件に関与したとしてやはり永久追放されたジョー・ジャクソンの例を踏まえると、米球界への復活はおそらくあり得ない。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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