欧州

2024.03.27 08:30

ウクライナのドローン、前線から800km離れた製油所を攻撃 ロシアは防空に苦慮

ロシアは、製油所周辺の防護を強化するため、航空基地や港湾、指揮拠点などの軍事施設の防護を減らすことを容認するかもしれない。そうなれば、これらの施設は現状より攻撃しやすくなる。

米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は「ロシア国内の目標に対するウクライナのドローン攻撃は、ロシアの利用可能な防空アセットへの圧力を高める公算が大きい」と解説している

ウクライナ軍は23日、ロシアが支配するウクライナ南部クリミア半島セバストポリにある黒海艦隊の停泊地に大規模なミサイル攻撃を加えた。これは、ロシア側が最良の防空システムを広く薄く広げて配置することになった場合、どういう結果になるかを暗示するものと見ることもできる。

ウクライナ空軍のスホーイSu-24戦闘爆撃機から発射するストームシャドー巡航ミサイルか、そのフランス版のSCALP(スカルプ)-EGが使われたとみられるこの攻撃では、黒海艦隊のロプーチャ級揚陸艦「ヤマル」と「アゾフ」に損害を与えた可能性がある。もし2隻が撃破されたとすれば(編集注:情報総局は2隻のうちヤマルについて、損害は「深刻」だと報告している)、黒海艦隊の揚陸艦隊は全滅にさらに近づいたことになる。

ロシア側は製油所を守るか、前線の部隊を守るか、早急に決断を下すことを迫られるかもしれない。米退役軍人のマーク・ハートリングは「どこもかしこも防御するというのは不可能だ」と指摘している

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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