予防的な化学療法
キャサリン妃のがんは、腹部手術後の検査で確認された。英王室はがんの種類を明らかにしていない。キャサリン妃は現在、予防的な化学療法を受けている。アジュバント(術後補助)化学療法とも呼ばれ、通常、腫瘍の摘出後にがん再発リスクを減らすために用いられる。
レディング大学のフィル・ダッシュ教授(がん生物学)は、サイエンス・メディア・センターで「腫瘍摘出の際、がん細胞がわずかに残る可能性があり、治療しなければ再発の恐れがある」と指摘。「予防的な化学療法は、残ったがん細胞を破壊し、がん再発の可能性を低くする」と説明した。
英インペリアル・カレッジ・ロンドンの腫瘍学主任教授で、ハマースミス病院のがん部門を率いるイアン・マクニッシュは「手術では、視認できる部分でがんの疑いがある部位をすべて取り除くことができるが、体内に微小で目に見えないがん細胞が残り、再び増殖する可能性がある。がんがときに再発するのはこのためだ。アジュバント化学療法の目的は、目に見えないがん細胞を破壊し、再発を防ぐことだ」と説明している。
(forbes.com 原文)