ハワイのホノルルを拠点とするINFRGY(インファジー)は、電磁波という「大気中にあふれる自然の力」をエネルギー源とする新しい「エネルギー収穫技術」を開発し、世界初のプロトタイプを完成させた。これはインドのカシミール工科大学との共同開発によるもの。同大学での実証実験が成功し、現在はインドの国立工科大学スリナガル校でさらなる研究が進められている。
インドの高等教育の質保証を行う政府機関NAACによる研究の認定証には、「無線でエネルギーを効率的に捕獲し増幅して供給するエネルギー装置」という特許出願中の装置の説明が書かれているが、テスターほどの小型デバイスで、直流と交流の両方で、出力が入力を大幅に上回ったとある。入力2.41ワットに対して出力が24ワットとのことで、にわかには信じがたいが、これが効率的に電磁波を電気に変換する技術なのだという。
19世紀末、電気の供給方式として直流式を推すトーマス・エジソンに対して、交流を推奨するニコラ・テスラが激しく対立した話は有名だ。テスラは電波を使って交流電気を無線送電する「世界システム」の開発に注力したが、結局、資金難から頓挫してしまった。
「私たちは、パートナーとの協力により、この革新的な技術を通じて新しい産業の創出を加速できると確信しています」と、INFRGYの創業者、パルベス・リシ氏は話す。テスラの無線送電の夢が、電力会社からの供給方法としてではなく、大気中から電気を回収するという経済的な形で甦るかもしれない。
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