もちろん、姿を消したのには相応の理由があるけれど、とはいえ、車の魅力そのものが否定された訳じゃない。
もはや中古車でしか手に入らなくなった“消えた名車”たちをチェックしてみよう。
時代に爪痕を残したトヨタ「C-HR」
![トヨタ「C-HR」(2016年12月~2023年7月)。写真は2020年に発売された特別仕様車。](https://images.forbesjapan.com/media/article/69956/images/editor/08d324b6fca2ccc2d30cdb900f85a61fcf65c073.jpg?w=850)
経済的な1.2Lターボや1.8Lハイブリッドシステムを搭載し、街乗りにちょうどいいサイズ感、他の国産SUVにはない個性的な見た目。ヒットするのも当然だったのだが、次第に雲行きが怪しくなっていった。
その“雲”とは、同じトヨタから2019年に出たちょっとだけ小さい「ヤリスクロス」と、2021年に出たちょっとだけ大きい「カローラクロス」だろう。
C-HRほどではないにせよ、どちらも見た目は個性的だし、ちょい小さいヤリスクロスでさえC-HRよりラゲッジ容量が大きいなど、使い勝手にも優れていた。
結果、C-HRの販売台数は伸び悩み、2023年7月に生産が終了した。
![欧州で販売されている2代目C-HR。](https://images.forbesjapan.com/media/article/69956/images/editor/4996579f1d84dcdd5913410a36a8cf26c5000d22.jpg?w=850)
もしかしたら日本人の我々は、あまりにも売れすぎて街にあふれ、時につまらなくに感じるようになったのかもしれない。だから流行がひと回りくらいしたら、きっと再評価されるのでは!?
それくらい、後世に名を残すような車のひとつじゃないだろうか。
“ちょっと先の未来”を提案した「ホンダe」
![ホンダ「ホンダe」(2020年10月〜2024年1月)。街乗り重視のため、小回りしやすいように、電気モーターをリアに載せて後輪を駆動させるRRレイアウトが採用された。](https://images.forbesjapan.com/media/article/69956/images/editor/171027b2067bf4a738266ce96d9d87e4c9cbe069.jpg?w=850)
理由は「価格が高い割に、走れる距離が短い」からとも言われる。何しろの日産リーフ(40kWh)が322km走れるのに対し、ホンダeは259km/283km。そしてリーフより100万円以上高かったのだ。
けれどホンダeは、いわば「ちょっと先の未来にピッタリな車」の“コンセプトカー”だ。だからサイドミラーもカメラ方式だし、スマホがデジタルキーになり、クラウドAIを使った音声認識機能も搭載するなど、最新技術がたっぷり投入された。
それに航続距離が短いのは「距離を延ばすために電池をたくさん積んだら、その分“電費”が悪くなる」という考えから。それって本当にエコ?と、あえて街乗りBEVに特化して開発されたのだ。
![デジタルサイドミラーの画像を両サイドに映し出し、ディスプレイを2つ並べたインパネのデザインは未来的。](https://images.forbesjapan.com/media/article/69956/images/editor/48c622c81f9018c1e31ad916ce8b5572f710db83.jpg?w=850)
しかし、いずれホンダeの描いた「ちょっと先の未来」が訪れれば、もっと評価されるんじゃないか!? そう思った筆者は、思わず購入しちゃいました(笑)。