食&酒

2024.03.28

新世代香港人が愛するガチ中華なライスヌードルが都内に多数出店した理由

譚仔三哥(タムジャイサムゴー)恵比寿店はJR恵比寿駅東口すぐそばにある

筆者が主宰する「ガチ中華」を愛好するコミュニティ「東京ディープチャイナ研究会」では、年齢も国籍も異なるメンバーが実際に訪ねた店の食レポをウェブ記事として配信している。

なかでも最近、元気なのが女子学生ライターをはじめとした若い世代で、筆者も彼女たちと一緒に「ガチ中華」の店を訪れることがある。

立教大学観光学部3年の中原美波さんが先日訪ねたのは、2022年3月に初の日本上陸を果たした香港発の人気ヌードルチェーン「譚仔三哥(タムジャイサムゴー)」の恵比寿店だ。彼女は同店を次のようにレポートしている。

譚仔三哥の店内には「香港人最愛粉麵店(香港人が最も愛する麺料理店)」と書かれている

譚仔三哥の店内には「香港人最愛粉麵店(香港人が最も愛する麺料理店)」と書かれている

〈取材に伺ったのは、眼鏡をかけた男性のロゴと赤と黒のサインが目を引くこのお店。その名も「譚仔三哥(タムジャイサムゴー)」。

香港を起点にシンガポール、日本と出店を進め、現在100を超える店舗を展開しています。日本では東京の新宿中央通り店を1号店として、吉祥寺店、恵比寿店と、食の流行に敏感ともいえるエリアに少しずつ出店を進めています。

この店で食べられるのは、米線(ミーシェン)という中国雲南省生まれのライスヌードル。文字通り、お米でつくられた麺のことで、グルテンフリーのため小麦でつくられる麺よりもヘルシーな点も魅力的です。

米線の食べ方は以下の3つのステップを踏みます。

1. スープを選ぶ
2. 辛さを選ぶ
3. トッピングを選ぶ

まず、スープは6種類で、辛さゼロの優しい「クリア(清湯)」、ガチ中華らしい独特な辛みのある「マーラー(麻辣)」、果肉たっぷり女性人気No.1の「トマト(番茄湯)」、旨味たっぷりの焦がしスパイスが利いた「ウーラー(煳辣)」、酸味が病みつきになる「サンラー(酸辣)」、そしてこのサンラーに、より複雑な辛みを足してスパイシーに仕上げた「サムゴーサンラー(三哥酸辣)」です。

譚仔三哥イチ押しの「マーラー(麻辣)」スープは最初舌がピリッと痺れるが、すっきり鼻から抜けるような山椒の風味や爽やかさもあり、ただ辛いというひと言では表現できない複雑な味わいだ

譚仔三哥イチ押しの「マーラー(麻辣)」スープは最初舌がピリッと痺れるが、すっきり鼻から抜けるような山椒の風味や爽やかさもあり、ただ辛いというひと言では表現できない複雑な味わいだ

次に、辛さはそれぞれのスープが10段階に調整でき、注文の際に選びます。

そして、トッピングは全25種類から最低1種類以上を選びます。チンゲン菜や豚バラなどスタンダードなものだけでなく、長ネギ、ホワイトセロリ、なめこ、スパム、カニカマ、タラのような日本限定のトッピングもあります。

私は個人的に「サムゴーサンラー(三哥酸辣)」が好きでした。さまざまな出汁や調味料の旨みがハーモニーとなって、まず深みのある香りが口の中で広がりました。中国酢も利いていて、旨味とさっぱりさを掛け合わせたような感覚です。「おっ! 意外といける!」と口にしたのも束の間、たちまち口の中がビリビリしてきました。

米線の美味しさの秘密は、次の3つにあります。まずスープにからみやすいこと。次にもちもちとした食感。そしてグルテンフリー。ぜひお試しください〉

譚仔三哥には香港仕込みのドリンクメニューもある。人気はレモンスライスがたっぷり入った「香港レモンティー」やコーヒーとミルクティを合わせた「香港鴛鴦茶(ユンヨンチャ)」

譚仔三哥には香港仕込みのドリンクメニューもある。人気はレモンスライスがたっぷり入った「香港レモンティー」やコーヒーとミルクティを合わせた「香港鴛鴦茶(ユンヨンチャ)」

次ページ > 譚仔三哥チェーンが香港人に支持される理由

文=中村正人 写真=中原美波、中村正人

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