宇宙

2024.03.25 17:00

3月の満月「ワームムーン」とスピカ、アンタレスが共演 今週の夜空

米国ミネソタ州デビルトラック湖から見たワームムーン、2021年3月(Getty Images)

米国ミネソタ州デビルトラック湖から見たワームムーン、2021年3月(Getty Images)

まもなく皆既日食を迎える米国にとって、米国時間3月25日月曜日の早朝に起きることは、翌週の大イベントのプレリュードだ。この日の早朝、3月の満月「ワームムーン」が地球に遮られる。ただし、これは皆既月食ではなく、わずかな半影月食にすぎない。

北米の人々にとって重要なのは、満月が地球の影に入るということが、4月8日の皆既日食に向けて、正確な軌道を通っていることを示しているためだ。

今週は、欠けていく凸月(満月と半月の間の月)が、明るい星々の近くを通過し、週末にかけて昇る時間が遅くなっていくにつれ、夕方の空は星空観賞に最適な暗さになる。

今週の星空観賞と天文について知っておくべきことを以下にまとめる。

3月25日(月曜日):ワームムーンの半影月食

2024年で3度目、北半球の春で最初の満月である「ワームムーン」が、地球の半影を通過する。北南米、欧州、東アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、わずかに「半影月食」が起きる。

ニューヨークでは東部夏時間午前0時53分から午前5時32分まで半影月食が起き、午前3時12分にピークを迎える。

3月26日(火曜日):月とスピカが大接近

日没から数時間後に外へ出ると、ほぼ満月の月が東に昇るのが見える。しかし、この月の出に関しては特別なことがある。月のすぐ下に、おとめ座で最も明るく、夜空で最も明るい20の恒星の1つであるスピカが見える。翌朝にかけて両者はさらに接近していく。

3月31日(日曜日):月とアンタレス

土曜日の深夜から日曜日の早朝にかけて南南東を見ると、輝面比74%の欠けていく凸月が、さそり座の赤色巨星、アンタレスのすぐそばに見える。

ボーデの銀河と葉巻銀河

今週、日没後の空に見えるこぐま座とおおぐま座には、20センチの天体望遠鏡で美しく見える2つの銀河がある。

M81(ボーデの銀河)は、地球から約1200万光年離れた渦巻銀河で、夜空で最も明るい銀河の1つだ。M82(葉巻銀河)は同じく地球から1200万光年離れたスターバースト銀河で、頻繁に星が形成されていることで知られている。その星々は望遠鏡の同じ視野内で、おおぐま座のドゥベーの北西にぼんやりとした光の斑点のように見える。

2024年4月8日の皆既日食の経路(NASA)

2024年4月8日の皆既日食の経路(NASA)

皆既日食に備えよう

北米を訪れる最も稀かつ最も美しい天文現象である皆既日食まで2週間を切った。まだ計画していない人は今すぐ行動すること。大切なのは、皆既日食を見るためには特別な帯の中(上の地図の黒い部分)にいる必要があることだ。以下のサイトで、地図やシミュレーション、イベント情報などを見ることができる(訳注:日本からは見ることができないが、日食観測のために渡米する人たちが多くいるほか、ライブ中継もある)。

GreatAmericanEclipse.com
Eclipse2024.org
National Eclipse

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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