昨年11月、ワシントンD.C.で開催された国防テクノロジー会議には、シリコンバレーから数百人が集まり、国防総省にテック業界との協力を促した。著名なベンチャーキャピタルの幹部やテック業界の大物、軍幹部らが一堂に会したこのイベントは、シフトの初の会合だった。
このイベントで基調講演を行ったPalantir(パランティア)のCTOのシャム・サンカーは「シフトは、米国で最も偉大な民間のイノベーターと防衛省内のイノベーターをつなぐ組織を提供するという点で、非常に大きな影響力を持っている」と語っていた。
しかし、その5カ月後にシフトは突然閉鎖された。フォーブスが入手した内部のメモによると、この閉鎖は、空軍のイノベーションを促進する部門のAFWERXが「資金的制約」を理由に、年間200万ドルの支払いを拒否したことが原因という。
シフトの創業者でCEOのMike Slagh(マイク・スラー)によると、AFWERXは1月の時点では、資金提供を継続する方針を示してただけに、今回の動きは衝撃だったという。彼は新たな資金調達のために奔走したが、それは叶わなかった。
米海軍の退役軍人であるスラーは「国防総省は、産業界の投資家たちからの信頼を失った。米国の敵対勢力は、私たちが自滅するのを待っている」とフォーブスに語っている。
シフトの目標の1つは、防衛分野のスタートアップが国防総省との初期契約や助成金を獲得して以降に直面する「死の谷」を乗り越えることを支援することだった。この分野の企業は、スペースXやパランティア、Anduril(アンドゥリル)などの一部の例外を除いて、多くの場合、収益化を実現するまでに資金不足に陥っている。
AFWERXは、声明の中で「財政的制約と予想される資金削減」を受けて来年度のシフトへの資金提供を更新しなかったと述べた。フォーブスが確認した元フェローへのメモの中で、同部門は「我々の目標は、ディフェンス・ベンチャーズのフェロー・プログラムから得た知識を反復することで、産業界と空軍兵士のつながりを加速し続けることだ」と述べていた。