YCは、新たに20億ドル(約3000億円)を調達し、次の4つのバッチへの投資と、その成長に合わせた追加投資のための3つのファンドを設立する予定であることがフォーブスの取材で判明した。
YCはこれらのファンドに、最低でも20億ドルの調達を見込んでいると、このプロセスを知る5人の情報筋は述べている。しかし、この調達は現在進行中であり、その総額は20億ドルからさらに増加する可能性があると、2人の関係者は語った。
YCはコメントを拒否した。同社は、プログラムに参加するスタートアップに合計50万ドルの出資をコミットしており最初に7%の株式と引換えに12万5000ドルを出資し、それに続くエクイティラウンドで37万5000ドルを出資している。YCのファンドの構造は、一般的なベンチャーキャピタルとは異なるものだ。
Yコンビネータのファンドに出資する投資家は、情報筋によると、次の2年間の数百のバッチに参加するスタートアップへの初期出資をカバーする「メインバッチファンド」と、残りの初期出資のための「セカンドファンド」、そしてYC出身の企業が成長するにつれて追加資本を投入するための「フォローオンファンド」という3つのファンドを「つなぎ合わせて支援する機会」を提供されるという。
YCのメインバッチファンド(これは、事実上YCのバッチのすべての企業のインデックスであるため最も重視されている)に興味を持つ投資家は、3つのファンドすべてに投資しなければならないと情報筋はフォーブスに語った。しかし、YCが得る将来のキャリー(ファンドの投資成績に応じて支払われる報酬)は、各ファンドによって異なり、フォローオンファンドでは一般的な市場レートに近い20%かそれ以上だが、アーリーステージのファンドではより高額になると情報筋の1人は述べている。
YCが保有するキャリーを合計すると、およそ30%強に達し「これはベンチャー市場のトップクラスだ」とこの情報筋は付け加えた。
このような仕組みは、投資家がタン氏とYCのグループパートナーを信頼しなければならないことを意味する。彼らは、スタートアップの面接や最初の投資、育成を担当し、適切な企業を選ぶだけでなく、いつ投資を増強すべきかを知っている。もし、タンが率いるYCのアーリーステージ向けファンドが、後続のファンドをはるかに上回るパフォーマンスを示せば、YC自身が資金提供者よりも大きな利益を得ることになる。