北米

2024.03.25

TikTok禁止法の立案者で「対中強硬派」議員がパランティアに入社へ

マイク・ギャラガー下院議員(Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images)

対中強硬派として知られる米共和党のマイク・ギャラガー下院議員が、国防総省(ペンタゴン)と緊密なつながりを持つ防衛テクノロジー企業Palantir(パランティア)の職務に就こうとしている模様だ。複数の情報筋がフォーブスに語った。

米議会下院の「中国特別委員会」の委員長を務めるギャラガー議員は先日、下院で可決されたTikTokの米国内での利用を禁止する法案の立案者として知られている。

ウィスコンシン州選出の同議員は3月22日、議員の職務を4月19日付で辞職すると表明した。Puck Newsの記者は22日のX(旧ツイッター)の投稿で、同議員がパランティアに転職するつもりだと周囲に話していることを伝えていた。

ギャラガー議員のパランティアにおける肩書きや職務は明らかになっていないが、台湾有事への懸念が高まる中で米国防総省との関係を強化してきたパランティアにとって、同議員の入社は大きな追い風となる。

フォーブスはパランティアと同議員の代理人にコメントを求めたが、即座に返答は得られなかった。

ギャラガー議員はここ数カ月、米中経済・安全保障調査委員会(USCC)のメンバーで超党派の対中強硬派連合を組織したジェイコブ・ヘルバーグと緊密に協力し、TikTokが中国所有のままで米国で活動することを禁止する法案に取り組んできた。ヘルバーグは、8月にパランティアに入社し、アレックス・カープCEOの上級政策顧問を務めている。ヘルバーグはコメントを控えた。

ギャラガー議員らが成立を目指すTikTokの規制法案は、中国や北朝鮮などの「外国の敵対勢力の支配下にある事業体」が20%以上を所有するソーシャルメディアアプリを禁止する内容となっている。委員会側近は、この法案が外国企業の所有権に焦点を絞ることで、以前の同様の法案に比べて言論の自由を脅かす懸念を和らげることができると主張している。

台湾有事への懸念

ギャラガー議員がパランティアの職務に就くことは、同社が米中間の問題への関与を深め、特に台湾有事に関連した問題をより優先的に扱うようになったことを示すものかもしれない。フォーブスは2月末に、ギャラガー議員らがイーロン・マスクとスペースX社に書簡を送り、スペースXの国防用の衛星通信ネットワークStarshield(スターシールド)を台湾に駐留する米軍に提供するよう求めたことを報じていた。

国防総省は2023年9月に、スペースXと1年間の契約を結び、スペースXは米国の国防部門が同社の衛星通信サービスを使用することを承諾していたとされる。ギャラガー議員は、書簡の中で「私は、スペースXが台湾とその周辺におけるインターネットサービスの提供を差し控えていると理解しているが、これはスペースXが米国政府と結んだ契約上の義務に違反している」と主張していた。

同議員はまた、記者団に対し「中国の目標は明確だ。彼らは台湾を統合するために必要があれば、武力を行使するだろう」と語っていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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