ロシア国営RIAノーボスチ通信は、迷彩服に身を包んだ3人の武装集団がモスクワ西郊にあるコンサート会場「クロクス・シティー・ホール」に侵入し、自動小銃で発砲、爆発物を投げ込んだと報じた。火は建物の屋上まで燃え広がり、負傷者は地元の病院に搬送された。ロシア連邦保安庁(FSB)は、この攻撃で少なくとも40人が死亡、100人以上が負傷したとしている。
同会場から投稿された動画には、武装集団が会場に入り火を放ち、コンサートに来場していた観客が通路に避難している様子が映っている。ロシア非常事態省によると、約100人が建物の地下から避難した。米AP通信は、明らかなテロ攻撃だと報じている。当局は犯人の身元や攻撃の動機について明らかにしていない。
会場では、ロシアのロックグループ「ピクニック」が公演を行っていた。ロシア国営タス通信によれば、この銃撃で負傷した団員はいなかった。
在ロシア米国大使館はこの2週間前、モスクワに滞在している自国民に対し、48時間以内に行われるコンサートを含む大規模な集まりを避けるよう警告を発していた。同大使館は警告の理由については明らかにしなかったが「過激派がモスクワの大規模な集会を標的にしようとしているとの報告を監視している」と説明していた。
今回の銃撃事件は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が選挙で再選を果たしてから1週間も経たないうちに起こった。同大統領の得票率は87%で、他の3人の候補を大きく引き離して圧勝したと報じられた。これは2022年2月にロシアがウクライナに侵攻を開始して以降、プーチン大統領にとっては初の選挙だった。同大統領に対する批判運動を展開していた野党指導者アレクセイ・ナワリヌイが先月、獄中で急死したことで、西側諸国のみならずロシア国内でも反発が広がっていた。
(forbes.com 原文)