アジア

2024.03.23 09:00

植田日銀の「バターナイフ利上げ」、市場は無視し円安・株高進む

日本銀行の植田和男総裁(Getty Images)

植田が日銀総裁に起用された時、彼が米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)で研さんを積んだことが注目された。植田はMITで、のちに国際通貨基金(IMF)副専務理事や米連邦準備制度理事会(FRB)副議長、イスラエル中銀総裁などを歴任する経済学者のスタンレー・フィッシャーに師事した。ベン・バーナンキ元FRB議長、ローレンス・サマーズ元米財務長官、マリオ・ドラギ前欧州中央銀行(ECB)総裁らもフィッシャーの教え子だ。
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サマーズは昨年、植田を「日本のバーナンキ」と呼んだ。バーナンキは1920〜30年代の米国のデフレやハイパーインフレの研究などでも知られる。だが、当時、あるいは1980年代、1990年代、2000年代、コロナ禍の時期の危機から得られる教訓で、日銀にとって今日すぐ役立つようなものはほとんどない。つまり、植田のチームは、自分たちで方策を考え出して状況に対処していかなくてはならない。

日銀が賢明に行動すると願うばかりだ。さしあたり、持ち出したのがバズーカ砲どころかバターナイフでは誰も驚かないとだけ言っておこう。とくに、ますます強気になっている日本株の強気派は目もくれまい。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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