アップルは21日、昨年8月4日以来最大となる1日における急落に見舞われ、株価は4%安の171ドルへと下落した。他のスマートフォンメーカーとの競争妨害と、同社デバイス上でのサードパーティーに取引に対する膨大な収益に対する大規模な反トラスト(独占禁止法)訴訟を米司法省が発表したことに投資家が反応した。
この急落によってアップルの時価総額は1120億ドル(約17兆円)減少して2兆6000億ドル(約394兆円)となったが、依然として世界第2位だ。
アップルの時価総額は、マイクロソフトの3兆2000億ドル(約485兆円)に5440億ドル(約82兆円)の差をつけられた。アップルの時価総額が2022年末には2000億ドル、昨年夏には5000億ドル以上マイクロソフトを上回っていたことを考えると、注目すべき差だ。
マイクロソフト株はこの日に1%上昇し、新記録となる429ドルで引け、市場全般の上昇と、同社初の生成AIに特化したコンピュータを発表したことによる効果を享受した。
1月にマイクロソフトにその座を譲るまで、時価総額世界一の企業だったアップルは、今や3位に近づきつつある。アップルの時価総額は、AIの寵児で半導体の巨人であるエヌビディアよりも約3600億ドル高いが、昨年末に約1兆7000億ドル上回っていたことを考えるとそのリードはごくわずかでしかない。
世界的な大企業の交代は、AIに対する市場の強迫観念を部分的に反映している。独自の機械学習事業に加えて、ChatGPTの親会社OpenAIの株式を大量に保有しているマイクロソフトと生成AIの実行に必要な半導体の大手メーカーであるエヌビディアは、AI業界のトップ企業となっている。一方アップルは、生成AI関連のプロダクトをまだ提供していない。アップルの今年に入ってからの11%の下落は、S&P500のリターンである10%よりも悪い。
またアップルの下落にも関わらず、株価指数は過去最高値を更新した。
(forbes.com 原文)