トライアル社は、一株1700円で2285万株を売り出し、388億5000万円を調達した。株価は21日に2491円のピークをつけたがその後は上げ幅を縮小し、2200円で引けた。
同社は目論見書によれば、IPOで得た資金を新店舗や改装、物流・加工センター、生鮮食品の生産強化などに充てるという。トライアル社は当初、昨年3月にIPOを申請していたが、4月にその計画を取り下げていた。
2015年に設立されたトライアル社は、生鮮食品や衣料品、その他の日用品を低価格で販売するスーパーマーケットを全国で280店舗以上運営している。同社はデジタル事業を担う子会社のRetail AI(リテールAI)を通じてIoT関連のソフトウェアやデバイスの開発も行っており、人工知能(AI)を用いて店舗内の顧客の行動を分析するカメラやハイテク買い物カゴなどで注目を集めている。
トライアル社の2023年6月期の売上高は前年比9.7%増の6531億円で、利益は13.2%増の1252億円だった。
S&Pグローバルによると日本のIPO活動は、外国人投資家の需要増などを受けて、2024年にさらに活発化する見通しという。
また、株価上昇を受けてここ1年で日本は新たな億万長者たちを生み出しており、丸亀製麺のトリドールホールディングスの創業者でCEOの粟田隆也(62)やM&A仲介事業を行うM&A総研ホールディングスの創業者でCEOの佐上峻作(32)らがビリオネアの仲間入りを果たしている。
(forbes.com 原文)