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2024.03.28

ブランド立ち上げ時に直面する法律の壁とは? クリエイティブディレクター中田慎介と学ぶファッションロー

▶︎「 WHAT IS FASHION LAW?」 

セレクトショップの先駆けとして常にトレンドを牽引してきたビームスに20年以上勤務し、メンズカジュアル部門の統括ディレクターなどを務めた後、2023年に自身のブランドを立ち上げ独立した中田慎介さん。

現在は自身のブランド「ザ ハーミット クラブ」「アンライクリー」を手掛けるほか、さまざまなブランドやショップの外部ディレクションを担当するなど、多忙な日々を送っている。

組織の中で得た視点と、自らブランドを運営する経験とを兼ね備える中田さんは、新たにブランドをスタートしたいと考える人たちにとって、まさにお手本となる先輩だ。

今回は経済産業省が発行する『ファッションローガイドブック2023』を元に、そんな中田さんの実体験から「ファッションロー(ファッションビジネスに関連する法律)」について一緒に掘り下げてもらった。

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ブランドを立ち上げたら、「服を作る」より前に「商標を取る」べし

OCEANS統括編集長の原 亮太(左)と、『ファッションローガイドブック2023』の編纂にも参加した海老澤美幸弁護士(右)の2人が訪れたのは、「アンライクリー(Unlikely)」クリエイティブディレクター/Unlikelyデザイナー 中田慎介さん(中央)のアトリエ。

OCEANS統括編集長の原 亮太(左)と、『ファッションローガイドブック2023』の編纂にも参加した海老澤美幸弁護士(右)の2人が訪れたのは、「アンライクリー(Unlikely)」クリエイティブディレクター/Unlikelyデザイナー 中田慎介さん(中央)のアトリエ。

話題はブランド名と商標についてからスタート。

海老澤:アンライクリーって素敵なネーミングですよね。

原:ブランド名を決めることは、ファッションビジネスをスタートさせる第一歩になると思いますが、法律の観点から気をつけるべきことはあるんでしょうか?

海老澤:最初に商標登録をご検討いただきたいですね。若手ブランドの方から受ける相談の中には、商標登録をしていなかったために、同じブランド名を別の人に商標登録されてしまい、そこからクレームがきてしまった……なんていうことも多いんです。

原:なるほど。中田さん、アンライクリーの商標登録は……?

中田:済みです!

原:良かった〜(笑)。どのように商標登録の必要性や手続きなどを知ったんですか?

中田:前職での経験があったからですね。立場上、ブランドの商標などについても関わることが多くて、それがいかにセンシティブで重要なことか、インプットされていたんだと思います。

何も知らなければ、「ブランドが成功したら申請すればいいか」というマインドでいたかもしれません。

原:希望のブランド名が使えるかどうかを調べる手段はあるんですか?

海老澤:特許庁が公開している検索システム「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」を活用することができます。登録の可否についてわかるので、すごく役に立つと思います。

中田:便利ですね。色々調べてみたくなります。

原:ブランドビジネスを始めるにあたり、屋号を育てていくということはとても重要だし、自分たちの喜びになるポイントなので、それが悲しみに変わらないように、きちんと情報を入手して成功を掴んで欲しいですね。

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メールでもLINEでも。外部とのやり取りは必ず書面で残すが吉


次は、ファッションビジネスで必ず知るべき生産・流通での取引について。


原:取引先とはどういうやり取りをしているんでしょうか?

中田:生産を請け負ってもらっている会社とは、取引申請書と契約書を交わす手続きをしています。

海老澤:素晴らしいですね。ファッション業界では書面を交わさずに口頭で済ませてしまうこともまだ多く、言った言わないの問題になったり、行き違いがあった時に証拠がないということもあります。

私が皆さんによくお願いするのは、すべて書面に残して欲しいということ。できれば契約書のかたちが望ましいですが、ハードルが高い場合は、メールでもLINEでも、きちんと可視化できるかたちであれば大丈夫です。

原:細かいやり取りまで、すべて記録に残すって大変じゃないですか?

海老澤:確かにすべての記録を残すのは大変ですよね。ただ、記録を残していないところがトラブルになりやすいのも事実です(苦笑)。打ち合わせなどで重要な内容を話し合った際には、事後的に簡単なメモを作って、相手方に了承を取るという方法などをお薦めしています。

中田:僕がやり取りをしているチームで言うと、デザイナーやパタンナーは必ず記録を残しますね。結局それを残さないと、自分たちが被害を受けることになるので。

原:ところで、今はECでの展開や流通も主流になっていますが、そこでの取引で注意点はありますか?

海老澤:対面ではなくプラットフォーム上で消費者の方と取引をすることになるので、特定商取引法などの法律をきちんと守るとともに、事前にルールを決めておくことが大事です。

プラットフォームを利用する際は、そのプラットフォームの利用規約をきちんと確認してもらうのがいちばんですね。

中田:確認しても自分でわからないところがありそうだから、専門知識をもつ方と一緒に読み解くのがベストですね。

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デジタル領域でも、自分たちの権利は守れる


話題は、近年盛り上がりを見せているデジタルファッションに。


原:これからのファッション業界を担う若い世代にとって、メタバース(仮想世界)やNFTなどのデジタルファッション領域についても無関心ではいられませんよね。

中田:僕も興味がある分野です。そこでも法律の問題が関わってくるんですか?

海老澤:まず商標登録ですね。商標登録は、ブランド名やマークなどを使う商品やサービスとセットで登録しておく必要があります。

例えば、メタバース上で服やグッズを販売する場合には、メタバースに対応した区分で商標登録する必要があります。デジタル領域への進出を検討しているのであれば、専門家と相談して早めに動いていただくのが良いかなと思います。

原:中田さんは、著書『UNLIKELY THINGS (I AM BEAMS)』でイラストも描かれていますよね。こういったクリエイティブの権利を守っていくには、どのようなアクションが必要でしょうか?

海老澤:イラストなどは著作権で守られることが多いです。著作権は、創作をした時点で権利が発生している状況になりますので、それらが現実世界にせよデジタル上にせよ、勝手に使われた場合は著作権侵害ということでクレームを入れるという守り方になりますね。

原:デジタル領域はこの10年くらいで一気に広まった新たな市場だと思いますが、法整備も同じように進んでいるのでしょうか?

海老澤:服のデザインなどは不正競争防止法の2条1項3号という法律で保護されることが多いのですが、例えば、現実世界の服のデザインをメタバース上で真似された場合に、この2条1項3号をデジタル上で販売する行為にも及ぼすことができるような改正がされたりしています。

中田:ファッションを取り巻く環境は日々変化していますね。これまでは自分の中での正解というところで動いていたんですが、今日は専門家のフィルターを通して答え合わせができたので自信につながりました。

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『ファッションローガイドブック2023』
ファッション分野の案件を取り扱う弁護士・弁理士が中心となって、経済産業省によって発行された『ファッションローガイドブック2023』 。

ファッションビジネスを展開するにあたり、いつどのようなタイミングで、自分が被害者、あるいは加害者になるかもしれない。

そうならないためにも、『ファッションローガイドブック2023』を常に携え、迷った時にはページを開いてみてほしい。

そこにはきっと、あなたの悩みを解決する術が記されているはずだ。

[問い合わせ]
経済産業省 商務・サービスグループ
ファッション政策室 ファッション政策担当
bzl-fashion_policy@meti.go.jp


※本記事はライフスタイルメディアOCEANS(オーシャンズ)からの転載記事です。

Promoted by 経済産業省 | text by Yuji Kuramochi | photographs by Mari Sugawara | edited by Yuji Kuramochi

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