フルなアニメ体験を提供する
クランチロールは3月2日、日本で2回目となる「クランチロール・アニメアワード」の授賞式を実施。世界中のアニメファンが日本のアニメを対象に昨年度の良作を選ぶアワードで、今年は過去最高の約3400万票が投じられた。世界中から15人以上のセレブリティも参加し、大きな反響があった。日本からはROLAND(写真)やLiSA、栗山千明、武井壮などが参加した 提供/クランチロール
プリニCEOは今後の戦略ついて次のように話す。
「私たちはアニメファンに、360度あらゆる方向からアニメ体験をしてもらいたいと考えています。特に音楽は、アニメファンにとって非常に大事なコンテンツです。昨年からソニーグループに参画したことでアニソンやMVを提供することが可能になり、ニューヨークでライブコンサートも行いました。このライブはファンにとても好評だったので、これからも積極的に行っていきたいです」
同社は、WOWOWとソニー・ピクチャーズと共同でアニメ作品「ばいばい、アース」(原作:冲方丁)を製作中であることも発表している。こうしたオリジナル作品の製作については、「クリエイターが望むならサポートしていきたい」というスタンスだ。
なお、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントで配給・ネットワーク部門の会長を務めるキース・ル・ゴイは、2021年のクランチロールの買収以降を振り返り、良い効果が2つあったと明かす。ひとつはソニーがクランチロールに大規模な投資とサポートを提供できたこと。もうひとつは、クランチロールがソニーの映画事業に大きな利益をもたらしたこと。
同社が配給を手掛けた2月2日公開の映画『「鬼滅の刃」絆の奇跡、そして柱稽古へ』は、3日間で観客動員44.1万人、興収6.43億円を突破した。ル・ゴイは「ソニーとクランチロールの組み合わせは、信じられないほど強力」と語る。
「ソニーの使命のひとつに、テクノロジーを活用して“キャンドル”や“マジック“といったツールを創造し、クリエイターと消費者を結びつけることがあります。クランチロールとともに、日本のアニメを世界中のファンに届けることは、とても誇らしい仕事ですね」