2人が切に願うのは、日本の社会が多様な家族の形を受け入れ、一緒にいたい人どうしが一緒にいられる仕組みができることだ。
「私は、結婚という形ではなくても、権利が与えられることが必要だと思っています。日本でも婚姻の平等が認められる日を楽しみにしています。日本全体もさらに明るくなると信じています」(西村)
気づきのスイッチをたくさん押せる番組に
2人は、「超多様性トークショー!なれそめ」(NHK・Eテレ)の4月5日放送回に出演する。出演の背景には、自分たちの家族の形を社会に示すことで、他の同性カップルの幸せにもつながればとの思いがある。2022年にEテレでスタートし、総合テレビでの放送を経てこの4月からは再びEテレで第3シーズンが始まるこの番組には、同性カップルや車いすユーザーなどのマイノリティに限らず、さまざまなカップルが登場する。MCの田村淳が、誰にでも入りやすい恋愛の話題を明るく楽しく掘り下げる中で、視聴者にも多様な価値観を共有する。
4月からの放送に向けて田村淳は、「自分は普段から固定観念を振り払おうと思って生きていますが、それでもこの番組でいろいろな人の声を聞いて、気づかされることが多くあります。視聴者に対しても、そうした気づきのスイッチをたくさん押せる番組にできれば」と語る。
「なれそめポーズ」をするMCの田村淳
同番組のプロデューサーによると、番組タイトルの「超多様性」には、マイノリティを連想させる「多様性」という言葉を超え、一人ひとりに「いろいろな生き方があっていい」と思ってもらいたいとの思いが込められている。多様なバックグラウンドが当たり前にあるコロンビアで育ったフアンも、インタビューの中で同じような考えを話していた。
「多様性は、恐れではなく希望。多様性を受け入れるということは、すなわち自分の“あるがまま”を許すことにもなるんです」(フアン)
*「超多様性トークショー!なれそめ」(NHK・Eテレ金曜夜10時放送)の詳細はこちらから。放送から1週間NHKプラスで見逃し配信あり。