ライオンは、2023年7月、全国の20歳から69歳の男女で、自分または家族が新型コロナウイルス感染症に感染した経験のある人を対象に、家庭内感染があった人、なかった人それぞれ480人にアンケート調査を実施した。その結果、感染者と非感染者が直接話さないようにする、部屋を分ける、お風呂は感染者を最後にする、ドアノブや水洗レバーなど手で触れる場所を消毒する、タオルを共用にしないなど、よく言われている感染対策が、家庭内感染に大きく影響していた。
もっとも差が大きかったのはトップ5は、「タオルを共用しない」で、家庭内感染がない家の実施率が66パーセントなのに対して、感染があった家では52パーセントだった。続いて、「歯みがき用のコップを共用しない」、「洗面所を使う時間を分ける」、「歯みがき粉を共用しない」、「ハブラシ同士が触れ合わないように置く」がどれも10パーセント以上の差がついた。
さらに、感染者と接触した、体調に違和感を覚えはじめたという早期の段階から対策を実施した割合は、家庭内感染をしなかった家は43パーセント、感染した家が34パーセントと、ここでも差が出た。さらに対策を実施した期間は、感染がなかった家の平均が6.7日と、した家の平均4.6日よりも長かった。
こうした対策が有効であることは想像がつくものの、この調査でわかったもうひとつの重要なポイントが、対策に対する「気持ち」だった。家庭内感染がなかった家では、29パーセントの人が「ほかの同居者にはうつらないようにしたいと思ったし、可能だと思った」と答えている。感染があった家でそう思った人はわずか9パーセントだった。逆に、うつらないようにしたいが難しい、うつるのは仕方ない、と思っていた人の割合は家庭内感染があった家のほうが多くなっている。
つまり、モチベーションが徹底した対策を促し、結果として高い効果が得られたというわけだ。早期対策のためには感染する前からの心構えが大切であり、「うつるのは仕方ない」などと最初から諦めては対策に力が入らない。きちんとやればきちんと効果が出ることを、この調査は教えている。
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