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2024.03.25 12:00

平均資産額と資産額中央値で読み解く、本当に豊かな国とは

1%の役割

平均資産と資産中央値の差の大きさを見ると、米国は平均資産が中央値の5倍を超え(512%)、7位に入っている。主要国でこれを上回るのは517%のブラジルだけだ。

米国では現在、資産額上位10%の富裕層が国の総資産の70%前後を所有し、さらにその半分を上位1%の超富裕層が握っている。富の不平等をさらに大きくしているのは、米国人口のうち貧しい方の半分が所有する富が2%にすぎない事実かもしれない。

米国では一部の欧州諸国とは異なり、1%の超富裕層が所有する富の割合が1980年代に再び上昇に転じた。それまでは、20世紀の産業革命や政治革命によって中産階級が強化されて裕福な市民が増えた結果、多くの地域でこの割合は低下していた。

最近のデータによれば、米国では上位1%の超富裕層に該当するには580万ドル(約8億7800万円)以上の資産が必要となる。スイスでは、この数字が850万ドル(約12億8700万円)とさらに大きくなる。

平均資産と中央値の相対的な差が特に小さいのは、アイスランド、ルクセンブルク、ベルギーなど、資産額中央値の上位に入っている国だ。また、東欧のスロバキアやスロベニアのように、資産額中央値は高くないが、平均資産と中央値の差は小さい国もある。

比較的貧しいのに平均資産と資産額中央値の差が大きい国としては、前述のブラジルのほか、南アフリカ、ロシア、ナイジェリアなどがある。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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