業界最速となる、「5期160億円」という売り上げを達成するなど、急成長を遂げているDirbato。Forbes JAPANはこれまで、執行役員やパートナーの話を通じて同社の成長理由を探ってきた。
ITすべての領域をカバーできる深い知見、システムの導入から定着までをサポートする伴走型のコンサルティングが、彼らが存在感を放つ理由だ。日本社会では依然、DXやITに対する意識のアップデートが急務ななか、「業務とITの通訳者」となるITコンサルタントへの期待値も高まり続けている。
2018年創業の同社は、20年より新卒採用を開始。24年4月には新たに130人を迎える予定で、組織は急拡大中だ。新入社員がITのプロパーへ変貌するための秘訣はどこにあるのか。話を聞いたのは、入社3年目を迎えた金亮輔(写真後左)と横畑誠力(同右)、2年目の北川英奈(写真前左)と前川陽香(同右)の、4人の若手だ。
成長を促す「Proactive Culture」
金:プロジェクトや社内活動を含めて、基本的に手を挙げても否定されることはほとんどない、というのがDirbatoです。社風といっていいと思う。前川:1年目の時に、クライアントの業務自動化を提案させてもらえました。上司のレビューを繰り返し提案・実装したシステムは今も運用保守に使われ、クライアント内で横展開もされています。
北川:私も、社内で煩雑化していたドキュメント体系を整理するためのナレッジやポータルサイト構築を提案・実装した経験があります。現在もそのフォーマットが活用されていて、若手の自分でも役に立てることがあるんだ、と自信につながりました。
横畑:僕が印象深く残っているのは、入社2年目の終盤。難易度の高い案件を上司から打診されて成功までもっていき、顧客から信頼を得られたことです。難しい案件でしたが、上司から声かけもあって挑戦してみよう、と。2年目でも任せてもらえたことがうれしかったし、裁量の大きさを感じました。
金:僕も本来ならひとつ上の職位が担当するような案件に挑戦させてもらえた経験があります。そのチャレンジとプロジェクト成功を評価してもらい、毎年昇進しています。努力し、結果を出した人が力を試せる機会を与えてくれる環境だな、と感じます。
前川:社内情報共有チャットの報告を見ると、会社全体の雰囲気として社員全員が頑張っているのがわかるんですよね。だから、自分も怠けていられないと奮起できる空気が常にある。
金:面白いのが、「スポーツ競技の世界大会に出場します」とか、仕事外で驚くような報告をする人がたくさんいること。みんな業務以外の活動にも活発なんですよ。例えば部活動もいろいろあって、僕自身「筋トレ部」の運営に力を入れています。
北川:実家が釣り船を運営していることもあり、私は入社してすぐに「釣り部」を立ち上げました。新入社員でも釣りに関しては私のほうが先輩で、普段と立場が逆転することもあるんです(笑)。そうした業務外活動の場が、職位が上の人ともフランクに話せる良い機会になっていますね。
金:プロジェクトベースで動くコンサルは、横のつながりをもちにくいです。でも、業務外活動の場で話せる機会が増えることで、直接の上司以外の先輩方にも相談に乗ってもらえるようになりました。
北川:一方で、同期のつながりがある新卒と違って、社内のリレーションを築きにくい中途入社の社員には、「ユニットプラン」という活動があります。この活動では「キャリアアップ」や「1on1」などの取組をおこなっており、私もこの活動を通してプロジェクト外の様々な社員と交流でき知見も増えたので、中途入社の方にとってはかなり有益になっているかと思います。
横畑:僕は今「DirTune(ディルチューン)」という動画配信の社内広報的な活動にも力を入れています。その活動でのつながりが、尊敬する上司との出会いのきっかけとなりました。
前川:ほかにも、専門スキルを学べる社外研修プログラムや社内勉強会、ネットワーク研修、AWS研修、業界別研修といった多くの制度が用意されているんです。スキルに不安があったときに上司に相談したらオススメの研修を紹介してくれて、自分が参加するプロジェクトへの解像度が上がった経験もあります。
金:設備面などの問題で個人では勉強が難しい領域もあって、そこは社内で勉強会が整備されているんですよね。
横畑:業務外の活動や学びの後押しを、仕事面で生かせるんですよ。先輩方とのつながりがあれば、コミュニケーション術も学べる。それが、クライアントとの円滑な話し合いや積極的な提案をできる場をつくるのに生きますから。
技術に貪欲だから争わずにつながる
金:実は最初、コンサルタントってみんなプライドが高くてクールなイメージをもっていました。でも、上司が苦手な分野について部下に助言を求めることもあるし、先輩たちがクライアントに寄り添うように伴走する姿を見てイメージが覆りましたね。横畑:僕もコンサルは実力至上主義という印象でしたが、もし足りない部分があってもできるようになれるかを一緒に考えてもらえる雰囲気がDirbatoにはある。私たちにも伴走してくれているような感覚です。
前川:技術力のあるメンバーも、しっかりと顧客目線に立ってITシステムやDXの実行支援を行っている姿は新鮮でした。ITの豊富な技術力や知識をもつ先輩社員の姿を見ていると、技術に対して貪欲であろうと思うんですよ。
北川:私たちはITコンサルですから、技術のアップデートや学びは必須。だからこそ、人とのつながりが大切だなと感じます。いろんな知識を若手だろうが関係なく吸収し合える会社なんです。
技術に貪欲でありそれを生業にするDirbatoだからこそ、コンサルタント同士がつながりを大切にする。4人の話からあぶり出されたのは、誰かを置き去りにすることなく成長を助け合う文化だった。
ITへの強いこだわりをもちながらクライアントに伴走する同社。その姿勢は社内でも貫かれているようだ。
Dirbato
https://www.dirbato.co.jp/
きたがわ・えな◎コンサルタント。大手通信事業会社のクラウド基盤共通化案件にて、企画から構築まで経験。現在は同支援の推進PMOとして従事。
まえかわ・はるか◎コンサルタント。流通企業向けサーバー更改プロジェクトにて企画業務支援を経験。現在はPMOとしてテスト環境統制プロジェクトに従事。
こん・りょうすけ◎シニア・コンサルタント。金融業界のシステム開発案件にて、上流工程の推進からPMOとして一気通貫で経験。現在は、大手EC業界の横断的PMOとして従事。
よこはた・よしき◎コンサルタント。金融機関向け基盤構築案件にてPMOを経験。現在はPLとしてERPシステム更改に伴う事業変革プロジェクトに従事。