北米

2024.03.21

米国初、経口避妊薬の市販開始 医療扶助受給者は無料の州も

米国初の市販経口避妊薬「オピル」の1カ月分、3カ月分、6カ月分の各パッケージ(Perrigo Company plc)

米国で初めて処方箋なしで買える市販薬として認可された経口避妊薬(ピル)「Opill(オピル)」が19日、店頭発売された。ウィスコンシン州では医療扶助制度メディケイドの受給者に対して、州が購入費用を全額補償する。

ウィスコンシン州のトニー・エバーズ州知事(民主党)は19日、メディケイド加入薬局の一部で同日にオピルの店頭販売が始まると発表。数週間以内に州全土で購入できるようになると述べた。

知事は「ここウィスコンシン州でも全米でも、女性の生殖の自由に対する攻撃が続いている」ため、避妊手段へのアクセスを容易にすることが重要だと説明している。

エバーズ知事は1月の州教書演説で、州のメディケイドプログラムに加入している全患者に対し「自己負担なし」で市販の経口避妊薬と緊急避妊薬を提供するよう州保健当局に指示すると約束していた。

オピルの製造元である製薬会社ペリゴは「今月中に」オピルの出荷を開始すると発表しており、18日にオンライン予約販売を開始した。希望小売価格は1カ月分が19.99ドル(約3000円)、3カ月分が49.99ドル(約7600円)、6カ月分が89.99ドル(約1万3600円)となっている。

米薬局チェーン大手のウォルグリーンCVSはすでに、オピルの店頭販売を行う方針を表明している。

オピルは1973年に米食品医薬品局(FDA)によって処方薬として承認され、当初は「Orvette」の商品名で販売されていた。プロゲスチン単剤経口避妊薬で一般的に副作用が少なく、血栓、乳がん、子宮頸がんの発症リスクが低いが、毎日同じ時間に服用しないと効果が弱くなる。

FDAは2023年7月にオピルの市販薬を承認した。米国では2022年に連邦最高裁が人工妊娠中絶を憲法上の権利として認めたロー対ウェード判決を覆す判断を示した後、中絶を禁止する州が相次いでいる。

クラレンス・トーマス最高裁判事は、妊娠中絶の合憲認定を覆す判断に賛成した際の補足意見の中で、夫婦間における避妊の権利と妊娠・出産のタイミングを自分で決める権利を認めた過去の最高裁判決についても「再考の必要がある」として疑義を唱えていた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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