北米

2024.03.21

米国でTikTok禁止が政治的になった理由、ユーザー巻き込み健全な議論を

Top_CNX / Shutterstock.com

人気アプリの将来について、ユーザーに発言権はあるのだろうか。

これはTikTokが全米で禁止される可能性があることを踏まえて、米国の議員たちが今自問している疑問だろう。このアプリに関しては、筆者を含め誰もが徹底的に分析したいと思っている。

近況をまとめると、米国の39州がすでにTikTokを禁止している。ほとんどが公用の端末での使用禁止だ。TikTokを全面的に禁止する、あるいはTikTokの米国事業の売却を求める法案がこのほど、賛成352票、反対65票で米下院を通過した。

米紙ワシントン・タイムズによると、上院は現在、この法案の動きがあまりに急ぎすぎではないか、もっと審議する必要があるのではないかと検討しているという。

この法案の背景には、国家安全保障やユーザーのプライバシーへの懸念がある。というのも、個人データの保存方法や、政治的利益のために利用される可能性についてまだ明らかになっていないからだ。こうした状況で問われるべきは、この問題における米政府の責任とは何か、そして議会は実際のユーザー(およびコンテンツ制作者)の声にどれだけ耳を傾けるべきかということだ。

今のところ、ユーザーは言いたいことがたくさんあるようで、TikTokを擁護したり、あるいは意見を述べたりする電話やメッセージが議員らに殺到している。

胸襟を開いて語ろう。ソーシャルメディアのユーザーは意見を持っている。

さまざまな意見がある。あるユーザーは、ヘルスケアなど他のことに関してはずっと議論や話し合いが続いているようなのに、下院がTikTok禁止にすばやく対応したことについて投稿した。また別の人は、議員たちはセキュリティ上の懸念からTikTokを標的にしているが、フェイスブックの深刻な問題に関してはそれほど迅速に動いていないと投稿で指摘した。

そして、筆者にはこの暗いトンネルの先に光が見える。私たちは自由の国に住んでいる。健全な議論(そして前向きな行動)につながる政治的なきっかけは良いことだ。
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翻訳=溝口慈子

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