高齢者と介護職が原宿のランウェイを進む「LiNK WALK」

高齢者とビンテージファッション。普段連想しにくい装いに身を包んだ、フォトジェニックな被写体としての高齢者に注目が集まる例も増えている。そんななか、介護職と高齢者によるファッションウォークという催しが開催された。

現役介護職10人と、実際に介護サービスを利用している高齢者5人がモデルとなって、ビンテージファッションで着飾りレッドカーペットを歩いたのは3月17日の「LiNK WALK」。国内最大級のファッションとデザインの祭典「Tokyo Creative Salon 2024」の一環として原宿キャットストリートで行われた「URAHARA NEW-VINTAGE FES 2024」での一幕だ。

「泣いちゃう私、嬉しくて今。こんな嬉しいこと初めてだから。とても嬉しい」

ランウェイを歩いた高齢者からこんな感動の言葉が飛び出した「LiNK WALK」は一般社団法人KAiGO PRiDE(東京都渋谷区)が開催したもの。すべての人が自分らしく生きるために必要不可欠な福祉・介護の力、そのカッコよさをクリエイティブの力で可視化する活動を行っているなか、一緒にいることで支えられ、自信が出、プライドも生まれるような一歩を進めるシンボルとして、若者の街「原宿」から幅広い年代に向けて発信するために行われた。



この日の衣装は、総合プロデューサーのマンジョット・ベディ氏(KAiGO PRiDE代表理事、クリエイティブディレクター)のコンセプトからコスチュームデザインチーム「Jas&Michiko」が製作した。ジャージやスーツといった役割の異なる服をハンドメイドで組み合わせてリメイク。様々な服から切り離したパーツをちりばめ、新しくできる服を身に着けるペアの関係性を演出するようにデザインされている。

舞台に立つ際、不安を口にする高齢者もいたが、歩くうちに笑顔になったり、会場にかけつけた家族の顔を見て涙したり、終了後はみな喜びの反応を見せた。



「息子が来ていて手を出して握手していたら、他の知らない人も手を差し出してくれて。本当、優しい人ばかりだった。この世の中の人はみんな優しい人ばかり。本当に幸せですよ。良い気持ちだったよ」(参加の高齢者談)

高齢者のペアとなって舞台に立った介護職からも「一緒に歩けたことで逆に勇気付けられました。一人だときっと緊張して歩けなかったと思うけど隣にSさん(利用者)がいてくれたから心強かった」という言葉があった。



マンジョット氏は「介護業界にどこかネガティヴなイメージがある中で私は介護の仕事は本当にカッコイイと思うんです。カッコ良すぎるんです。なくてはならない仕事だと思っているんです。今日、介護職のみんなも利用者のみんなも本当にカッコよく歩いてくれました。これからも皆さんと一緒に日本の介護の魅力をどんどんこういう形で発信していきたいと思います。お互い助け合いながらハッピーな社会を一緒に作っていきましょう」と語っていた。



プレスリリース

文=縄田陽介 写真=一般社団法人KAiGO PRiDE提供

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