欠点は、システムによってさまざまであることも、調査によって明らかになった。例えば多くの車両は、ドライバーがちゃんと道路を見ており、自分で操作する準備ができているかどうかを監視するための適切な機能を備えていない。あるいは、問題が発生した際に迅速に注意を喚起する機能が欠けていたり、気が散っているドライバーに注意を促す機能が十分でないという欠点を持ったシステムもある。
IIHSが推奨する効果的な部分的自動運転システムの重要な機能には以下のようなものがある。
・ドライバーモニタリング:ドライバーの頭部や視線が道路を向いているか、手が長時間ハンドルから離れていないか、必要になった際にはすぐにハンドルを握る準備ができているかを検知できなければならない。
・注意喚起:適切なタイミングで継続的にドライバーに注意喚起を行わなければならない。
・緊急制御:ドライバーが注意喚起に応じない場合は、緊急制御を行う。
・意思決定におけるドライバーの関与:例えば、車線変更は必ずドライバーが開始または確認しなければならない。交通の状況によってアダプティブクルーズコントロールが車両を完全に停止させた際には「ドライバーが道路を見ており、2分以上経過していないことをシステムが確認できない限り、自動的に走行を再開するべきではない」と、IIHSの調査員は言及している。
・安全機能:部分的自動運転が安全に関して有益であるという根拠がほとんどないため、危険性を最小限に抑えるには安全機能が不可欠であると、調査員は述べている。自動緊急ブレーキや車線逸脱防止機能が作動していない時や、あるいはシートベルトがきちんと締められていない時などには、部分的自動運転システムが機能しないようにすることが重要だ。現在は、このようなシステムの多くが、乗員がシートベルトを締めていなかったり、その他の重要な安全機能がオフになっていても、使用可能になっていると、報告書には指摘されている。
「このような部分的自動運転システムを搭載した車両が急速に路上を走るようになったことを考えると、この調査結果は心配になる」とハーキーはいう。しかし、グループ全体の性能に目を向ければ希望の兆しもある。単一ですべてにおいて優れたシステムはなかったものの、各カテゴリーでは少なくとも1つ以上のシステムが優れた性能を見せた。このことは、欠点の修正が容易であり、場合によっては単純なソフトウェアのアップデートのみで改善できる可能性を示している。
今回のテストにおける評価の詳細、そしてIIHSによる「優れた部分的自動運転システムのセーフガード」の要件と各車の成績について詳しく知りたい方は、IIHSの公式サイトのこのページやこのページをご覧いただきたい。
(forbes.com 原文)