2024.03.27

北陸新幹線の延伸で乗換検索に大きな変化

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3月14日に北陸新幹線の金沢駅から敦賀駅までが開業し、東京駅から福井駅まで電車一本で行けるようになった。

これまで、東京駅から福井駅まで行くには、北陸新幹線で金沢駅まで行き、北陸本線の特急に乗り換えて福井駅へ行く北回り、東海道新幹線で米原駅へ行き、北陸本線で敦賀、ハピラインふくいで福井という南回りの2つのルートがあった。

路線検索を提供するナビタイムジャパンは、アプリでの経路検索条件データを解析。開業後2週間を移動日として指定した路線検索を対象に、前年の同期間と比較して調査している。

それによると、東京駅から福井駅間の路線検索を分析したところ、開業前は南回りルートが結果として表示される傾向だったのが、開業後では北回り経路が多く結果として表示されるようになったという。下図は、開業前、開業後のルート結果をビジュアル化したものだ。


ちなみに、開通後は南回りルートだと最短でも3時間50分弱、北回りルートは最短で3時間弱と時間も早く、料金はそれぞれ1万5080円、1万5810円とわずかな差だ。電車一本で楽に行けるという点から考えても、北回りルートのほうが魅力的だろう。

また、調査対象期間にルート検索で目的地として検索された駅を集計したところ、前年との比較で、敦賀駅が8.35倍、福井駅が3.61倍、芦原温泉駅が3.37倍と続き、福井の駅が上位を占めている。北陸新幹線の延伸により、福井への旅行を考える人が急増したことがうかがえる。

福井県を目的地としたときの出発地としては、東日本では富山、長野、高崎、大宮、東京駅と北陸新幹線の停車駅が増加し、西日本では、大阪、京都、名古屋駅と特急列車の始発駅が増加している。北陸新幹線の利用する目的だけでなく、福井県へ行ってみたいという需要が増加しているようだ。


福井県には、恐竜博物館や東尋坊といった見どころや越前がにやソースカツ丼のようなソウルフードといったグルメも豊富。ただこれまで行きづらい面もあったため、今回の北陸新幹線の延伸は集客の起爆剤になることは間違いない。

出典;ナビタイムジャパン「北陸新幹線延伸による効果速報分析を発表」より

文=飯島範久

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