バイデン政権は3月11日に発表した歳入案で、暗号資産のマイニング(採掘)にかかる高性能コンピュータの電気代に課税するという物議を醸す提案を再度提出した。
米財務省は2025年の歳入案で「デジタル資産をマイニングするためにコンピューティングリソースを使用する企業」に対し、そのリソースが自社所有か他社からのリースかにかかわらず「マイニングに使用される電気代の30%に相当する物品税を課す」と記している。
マイニングハードウェア企業SunnySide Digital(サニーサイド・デジタル)のCEOのタラス・クリックは、DLニュースの取材に「マイニングに一律30%の連邦税を課すことは、このセクターを確実に消滅させ、米国における数十億ドルの投資家価値を事実上即座に消し去るだろう」と述べた。
1年前に初めて提案されたデジタル資産マイニングエネルギー(DAME)物品税は、ビットコインといった暗号資産のマイナーが使用する電気代に30%の物品税を課すもので、2021年に中国がマイナーを取り締まったときのように、マイナーは国外に脱出せざるを得なくなる可能性が高い。
世界規模で見ると、ビットコインのマイナーは、いくつかの小国と同程度の電力を毎年使用していると考えられており、世界のビットコインのマイニングのほとんどは現在、中国からのマイナーの脱出に続いて、米国で行われている。
ワイオミング州選出の共和党の上院議員シンシア・ルミスは「デジタル資産の採掘に30%の懲罰的課税を行えば、この産業がアメリカで持つ足がかりを破壊することになる」と12日にX(旧ツイッター)に投稿した。
ルミス議員は、ホワイトハウスの予算案は、将来的に見込まれる税収を考えると「暗号資産に対して信じられないほど強気だ」と付け加えた。
「バイデンの2025年予算は、ビットコインに対して非常に強気だ」と、マイニング事業を手がけるライオットプラットフォームズのリサーチ担当副社長のピエール・ロシャールは、皮肉交じりにXに投稿した。「彼らはここからの税収を当てにしている」と彼は続けた。
(forbes.com 原文)