数年前、反日運動が激しかった頃、在韓日本人に向けて「3.1節には外出しないように」という告知が在韓日本大使館から出されるほど、韓国人が日本に対して敵対心を抱く日でもあった。
表現しにくいが、韓国人は日本や日本人に対して「好き」という感情を出すことが微妙なときがある。反日ムードが高まっている時期やスポーツの試合で日韓戦があるときだ。
最近、超円安で日本へ渡航する韓国人が多くなり、頻繁に日韓を行き交う人が増えているにもかかわらず、3月1日に日本旅行のコンテンツを投稿しただけで袋叩きにあったユーチューバーがいた。3.1節に日本を楽しんでいる動画を投稿するとは、「けしからん」と非難されたのだ。名指しされたユーチューバーは、投稿した動画を削除し、非難する人たちに向けて謝罪した。
とはいえ、「3.1節に韓国人は日本を観光してはならない」という法律はなく、その日に日本へ渡航した韓国人はごまんといたはずだが、それらの非難に対して「なぜ?」と疑問を示さない。
天皇誕生日に在韓日本国大使館がホテルを借りて「君が代」を演奏し、そこへ韓国の政治家が招かれ出席しただけで、後々聴聞会で詰問されなければならない事態になることもある。
このように韓国では日本との関係が微妙なのだ。「そろそろ植民地時代のことは忘れて未来に向けて前進しましょう」とする政権が与党ならいいが、「(日本の統治下でどれほど朝鮮人が苦しめられたかを)決して忘れるな。歴史を忘れた民族に未来はない」と謳う政権が与党になれば、じわじわと反日の方向へ傾いていく。
韓国が最も愛する日本選手
3月15日、韓国の仁川国際空港の入国フロアは、ドジャースの大谷翔平選手を待つファンや取材陣で埋め尽くされた。全国から集まった韓国のファンたちには、大谷選手をひと目見ようと徹夜で待った人もいた。そして、ドジャースの選手団でいちばん最初に大谷選手が現れると大歓声が沸き起こった。これまで韓国でこんなに歓迎された日本のスポーツ選手がいただろうか。とにかく別格としかいいようがない。AP通信の表現を借りると、「大谷は、たぶん韓国が最も愛する日本選手だろう。彼の魅力は歴史的な敵対関係を克服すること」となる。
大谷選手の来韓に向けて発売された商品は売り切れ続出で、いま韓国ではまさに大谷シンドロームが巻き起こっている。