日産に救済求める米EVメーカー「フィスカー」、6週間の生産停止

ヘンリック・フィスカー(Photo by Mario Tama/Getty Images)

著名な自動車デザイナーのヘンリック・フィスカーが2番目に立ち上げた電気自動車(EV)メーカーのFisker(フィスカー)は3月18日、在庫を調整し、破産法の適用を申請する必要性を回避するために6週間の生産停止に入ると発表した。

同社は、既存の投資家から1億5000万ドル(約224億円)の追加資金を確保したと述べている。

フィスカーはまた「大手の自動車メーカー」からの出資や、北米での製造契約、EV製造のプラットフォームの共同開発などを交渉中だと述べている。ロイターは、その相手が日産自動車だと報じていた。同社は、在庫の調整のために、18日から6週間製造を休止する。ウォール・ストリート・ジャーナルは、フィスカーが破産申請に向けて再建アドバイザーを雇ったと報じている。

フォーブスは、ヘンリック・フィスカーと妻のギータ・グプタ=フィスカーの保有資産を約16億ドルと推定している。夫妻は2016年にフィスカーを共同創業し、2人はそれぞれ会社の約20%を所有している。

ニュースリリースによるとフィスカーは今年の年初から3月15日までに1000台を生産し、1300台を世界で納車したとされる。同社は現在、4700台の在庫を抱えている。

ヘンリック・フィスカーは、BMWやアストンマーティンのデザイナーとして活躍した後の2007年に最初の自動車会社のフィスカー・オートモーティブを設立したが、同社は2013年に倒産した。フィスカー・カルマと名づけられたプラグイン・ハイブリッド・スポーツカーを生産していたこのメーカーは、2014年に中国の自動車部品メーカーの万向集団(Wanxiang Group)に売却された。

その3年後の2017年にフィスカー夫妻は新たなEV企業のフィスカー・インクの立ち上げを発表し、2020年10月の大々的なIPOで10億ドル以上を調達した。しかし、同社が2023年に発売したフィスカー・オーシャンは、ソフトウェアに起因するブレーキの問題を引き起こし、米道路交通安全局(NHTSA)の調査を受けていた。

CNNは今月初め、2023年第4四半期に4億6360万ドルの損失を計上したフィスカーが「企業として存続するための能力に相当な疑問がある」と発表したと報じた。また、この発表の中で、同社は従業員の15%をレイオフする予定だと述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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