宇宙

2024.03.19

スペースXはいずれ「星間飛行」を実現する、マスクが発言

イーロン・マスク(Shutterstock.com)

イーロン・マスクは3月18日、スペースXの宇宙船スターシップが2020年代の終わりまでには火星に到達し、さらに将来のバージョンでは星と星の間を旅することになると発言した。スペースXは14日、NASAの宇宙飛行士を月に送るための大型宇宙船スペースシップの3回目のテスト飛行を成功させたことを祝っていた。

 「スターシップは、太陽系全体とその周辺までを横断するように設計されている」と、マスクは18日にX(旧ツイッター)に書き込んだ

しかし、マスクはまた、現状のスペースシップの航続距離が太陽系の周囲までに限定されていると述べ「将来のバージョン」で他の星系への旅が実現すると誓った。このバージョンは、現状のものよりも「はるかに大きくより高度なものになる」と彼は述べている。

マスクは、スペースXが恒星間の旅を可能にするバージョンのスターシップの開発に取り組んでいるのか、また、どのようにして多くの障壁を克服するつもりなのかには触れなかった。科学者たちは恒星間の旅は技術的には可能だと考えているが、現状ではSFや推測の域にとどまっている。

スペースXは、マスクによるこの発言の数日前に3回目のスターシップの打ち上げ成功を祝っていた。スターシップはブースター(推進装置)から切り離され、順調に宇宙空間に到達。その後大気圏に再突入してから交信が途絶えたが、打ち上げ後に爆発した過去2回のテストに比べ大きな成果を収めていた。

マスクは年内にさらなるテストを行うと約束し、スターシップは「5年以内に火星に到達する」と宣言した。


「スターシップは人類を火星に連れて行くだろう」とマスクは15日にXに書き、テキサスにある打ち上げ施設のスターベースから宇宙船が打ち上げられた画像を共有した。別の投稿でマスクは「スターシップは人生を多惑星的なものにするだろう」と述べた。


スペースXのウェブサイトによると、同社の打ち上げ回数は320回で、そのうち284回が着陸し、254回が再飛行した。打ち上げのほとんどは軌道に到達できる初の再使用型ロケットであるファルコン9ロケットだった。再使用型のロケットは、宇宙旅行のコストを大きく引き下げる。


 一方、AFP通信によると、オバマ前大統領は13日にパリで開催された再生可能エネルギー会議の演説で、宇宙を最新のフロンティアとして見据えているマスクやアマゾン創業者のジェフ・ベゾスらを非難した。

「私は、地球環境が悪化して住めなくなった場合に備え、火星を植民地化するという計画を語る人たちの話を聞くと、何を言っているんだと思う」と前大統領は語った。

オバマ前大統領は、たとえ核戦争や壊滅的な気候変動が起きたとしても、地球は火星に比べればずっと「住みやすい」場所だと主張した。「私たちは、この惑星のための投資をもっと行うべきだ」と彼は語り「宇宙探査は、人類のための新たな居住空間を作るためではなく、知識を集め、発見をするために行うべきだ」と付け加えた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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