高度10万フィート(約30km)の宇宙の入り口まで往復する6時間の旅はどうだろうか。
豪華な成層圏への旅を企画しているSpaceVIP(スペースVIP)が3月15日に発表したところによると、同社はミシュランガイドで星を獲得したシェフ、ラスムス・ムンクと提携し、2025年に宇宙の入り口で旅行者にムンクによる食事を出す計画だ。この手の体験は世界初となり、勇敢な旅行者6人に生涯忘れられない旅と思い出を提供する。
SpaceVIP創業者のローマン・チポルカは「今回の発表は宇宙旅行にスポットライトを当てており、宇宙旅行の重要性についての対話が始まったことに興奮しています」とフォーブスに電子メールで語った。
人間にとっては小さな一歩、ミシュランガイドの星を獲得したシェフによる食事という点では大きな飛躍となる。この旅行には気球型の宇宙船ネプチューンを使用し、1人あたり49万5000ドル(約7400万円)という天文学的な価格で提供される。ネプチューンは世界初の二酸化炭素排出量実質ゼロの宇宙船だ。2025年後半に米フロリダ州のケネディ宇宙センターから出発する予定だ。
発表によると、飛行時間は計約6時間で、加圧されたカプセル型の宇宙船は気球で成層圏まで持ち上げられる。船内ではWi-Fiが利用でき、参加者は旅行の様子をライブ配信して地上の友人や家族と共有することができる。
SpaceVIPは2021年に、フロリダを拠点とする宇宙スタートアップのSpace Perspective(スペース・パースペクティブ)から3つのカプセルを購入した。チポルカによると、SpaceVIPは宇宙旅行の力を通じて人々の意識を高めることを目的としたアーティストとの提携を模索してきたという。
「これらのフライトの提供を始めることで、より多くの人々が利用できるようになるのです」とチポルカ。「1920年代、大西洋を横断する航空便のチケットは手が出せないほど高価で、エリートのみが利用できるものでした。ですが技術の進歩や航空産業の発展により、空の旅は時代とともに手頃なものになりました。個人の宇宙旅行はいま始まろうとしており、同様に手頃なものになると確信しています」とも語った。