この研究では、調査対象のリーダーの89%が「強い集団的目的感が従業員の満足度を高める」と述べている。しかし、現在自社の組織が目的主導で運営されていると答えたのは少数派で、わずか46%だった。ハーバード・ビジネス・スクールのジョン&ナティ・マッカーサー大学の教授であるレベッカ・ヘンダーソンは、企業が明確な使命を持っている場合、それは「高いレベルのエンゲージメント、高いレベルの創造性および企業内の機能や製品の境界を越えて協力する意欲につながる」と語っている。
ここ数年の出来事により、多くの人が価値観や優先順位を見直すようになった。マッキンゼーの調査では、米国を拠点とする労働者の約3分の2が、新型コロナのパンデミックをきっかけに自身の人生の目的について考えるようになったと答えた。その結果、自分が適した仕事に就いているのか、さらに言えば、適したキャリアに就いているのか疑問を抱く人が増えている。従業員は報酬に加え、仕事への意義や意味を求めるようになっているのだ。イェール大学経営大学院の研究者であるエイミー・ウルゼニウスキーは「自分の仕事を天職だと考える人は、それを単なる『仕事』と考える人に比べて満足度が高い傾向があります」という。仕事に意義を見出すことは、困難を乗り越える助けにもなり、職場において大きなメリットとなる。
毎日、目を覚ましてもやる気が出ず、充実感も得られないと感じているのなら、仕事に一段と大きな目的意識を見出すときだ。そのための方法を以下に挙げよう。
1. 魂を養う時間を確保する
仕事に意味を見出せないと感じている理由がストレスであるケースはよくある。ストレスが長引くと燃え尽き症候群に陥る可能性がある。燃え尽きると、つながりの意識が消え去り、喜びや意欲を感じられなくなる。さらには、自分の能力まで疑ってしまうようになるのだ。こういった症状を抑えるために、セルフケアを実践しよう。瞑想、運動、休憩、健康的な食事などがその例だ。その他にも、自然の中を散歩したり、好きな趣味に没頭したりといった気分を高める方法を探そう。仕事のクオリティに影響が出るほど消耗が激しいと感じたら、十分な休暇を取るべきときだ。