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2024.03.18

三菱UFJがインドネシアのフィンテック「アワントゥナイ」に出資

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ジャカルタを拠点とするフィンテックのスタートアップAwanTunai(アワントゥナイ)は先日、インドネシア経済のデジタル化の推進に向けて、シリーズBラウンドで2750万ドル(約40億円)を調達した。

このラウンドは、ノルウェーの投資ファンドのNorfund(ノルファンド)と三菱UFJイノベーション・パートナーズ、フィンランドのOP Financial Group(オーピー・フィナンシャル・グループ)らが主導し、タイのアユダヤ銀行のフィンテック部門も参加した。

この調達でアワントゥナイの累計エクイティ調達額は5100万ドルに達した。同社は評価額の開示を避けたが、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)はプラスだと述べている。

「私たちは、インドネシアで急速に発展を遂げる消費財セクターの中小企業の業務のデジタル化を支援し、金融サービスへのアクセスを提供するというアワントゥナイの取り組みに感銘を受けています。アワントゥナイは、顧客の業務を可視化するだけでなく、データサイエンスを活用して取引データを分析し、融資リスクを管理しています」と三菱UFJイノベーション・パートナーズの鈴木伸武代表取締役社長は声明で述べている。

新たな資金は、アワントゥナイの融資資本とリスク管理技術の拡充に充てられる。2016年に設立された同社は、インドネシアの零細・中小企業にオンライン融資と決済サービスを提供している。アワントゥナイは、主に現金決済を利用するこれらの企業に、AwanTempo (アワンテンポ)と呼ばれる融資プラットフォームを通じて最大2億ルピア(約180万円)の運転資金を提供するほか、AwanToko(アワントコ)という在庫や注文管理のサービスを提供している。同社は、インドネシア全土で12万以上の加盟店と提携しているとされる。

アワントゥナイの共同創業者でCEOのディノ・セティアワン(Dino Setiawan)は、インタビューで「私たちは、銀行がやりたがらないこと、あるいは彼らがそれを運用するための忍耐力や技術的ノウハウを持たない分野の仕事をやりたいのです」と述べている。同社は、既存の銀行を上回る精度のリスクマネジメントを可能にするテクノロジーの開発に注力しているという。
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編集=上田裕資

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