北米

2024.03.18

米TikTok禁止法が成立すればアップルとテスラに打撃、アナリストが警告

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米国議会下院は3月13日、中国企業のバイトダンスが運営するTikTokに安全保障上の懸念があるとして、半年以内に米国内での事業を売却しなければ同国での利用を禁止する法案を超党派で可決した。

この法案が実際に成立した場合に、予想される最も大きな動きは、中国政府が米国企業に対する報復措置に打って出ることだ。

ローゼンブラットのアナリストのバートン・クロケットは、中国が報復を行った場合、アップルに対して「一定の懸念」があると述べている。Temu(ティームー)やSHEIN(シーイン)のような他の中国企業のアプリに議会の調査が及んだ場合は、メタの直近の四半期の広告収入の10%がこれらの企業からのものであったことを考えると、同社にも打撃がおよぶ可能性がある。さらに、アマゾンのサードパーティパートナーの約半分が中国企業であることから、アマゾンにもリスクが存在する。

ダン・アイブス率いるウェドブッシュのアナリストは、中国政府からの反発を注意深く監視している企業として、アップルとテスラを挙げている。この2社は、中国への依存度が最も高い米国の主要企業に含まれており、最新の会計年度の収益に中国が占める割合はアップルが19%でテスラが22%だった。

バーンスタインのアナリストのマーク・モアドラーは14日のメモで、TikTokの禁止によって最も直接的な影響を受けるのは、おそらくオラクルになると述べている。オラクルは、TikTokの米国のストレージプロバイダーとして年間10億ドルの収益を得ているという。しかし、モアドラーはまた、オラクルのデータセンター事業の高成長は、TikTokを失うことで生じる損失を補って余りあるものであるため、同社の評価額は「影響を受けないだろう」と述べている。

一方、ポジティブな影響としてバーンスタインのクロケットは、メタやアルファベット、Spotifyらが、現在TikTokが獲得している米国の広告収入の約10%を獲得する可能性があると指摘した。ウェドブッシュのアイブスは、TikTokの米国事業が実際に譲渡された場合、アップルやオラクル、マイクロソフトらが投資家として参加する可能性を示唆した。

英フィナンシャル・タイムズは、TikTokが昨年、米国で160億ドル(約2兆4000億円)の売上を上げたと15日に報じた。これは、昨年Spotifyが米国で上げた売上の約3倍、昨年Snapが北米で上げた売上の約5倍、2021年のXの米国における売上の約6倍に相当する。

一方、アルファベットの昨年の米国での売上は1460億ドルで、メタの昨年の米国およびカナダでの売上は610億ドルだった。

非上場企業であるバイトダンスの直近の社内における評価額は2680億ドルだったとされている。これは、ネットフリックスの時価総額とほぼ同じ金額だが、アルファベットやメタの1兆ドルを超える時価総額よりははるかに小さい。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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