トーマスはNCAAの選手権で優勝した当時、ABCテレビの番組「グッド・モーニング・アメリカ」に出演し「トランス女性は女子スポーツの脅威ではありません」と訴えている。2019年に男性から女性への性別移行を開始すると筋肉量が減少し、泳ぐスピードは「とっても遅くなりました」とも明かしていた。
NCAAは「トランスジェンダーの学生アスリートのために機会を確保しつつ、競技に参加するすべての人のために公平性と包摂性、安全性のバランスを図る」という方針を掲げる。2022年1月には同年度の冬と春の選手権に関して、トランスジェンダーの選手の場合はテストステロン抑制治療を1年間受けることを資格要件とした。2024年8月以降、トランスジェンダーの選手は、テストステロン値がスポーツ選手としての基準内であることを証明する書類を年2回提出することが求められる。
米自由人権協会(ACLU)のオハイオ州支部によると、トランスジェンダーであることを公表して米国の大学スポーツ競技に参加した選手は、これまで34人にとどまっているのが実情だ。
トーマスは前出の番組で「トランスの人たちは競技のために(性別を)移行するのではありません。わたしたちは、幸せになるため、本来のあり方、本当の自分になるために移行するのです」と話している。
(forbes.com 原文)