ディープフェイクを撲滅する法案
AIが生成したポルノ画像が拡散しているプラットフォームはイーベイだけではない。掲示板のReddit(レディット)やX(旧ツイッター)、さらにはハンドメイドのアイテムを売り買いするEtsy(エッツィ)でさえも、このような画像への対応に苦慮している。1月下旬には、AIで生成したテイラー・スウィフトのヌードがXで拡散され、数百万回も閲覧された。これを受け、オカシオ=コルテス議員を含む議員らは、ディープフェイクの被害者が訴訟を提起できるようにする法案の「性的に露骨な生成画像や同意を得ない編集を撲滅する法(DEFIANCE法)」を提案した。「同意を得ずに作成されたディープフェイク画像の被害者たちは、これまで置き去りにされてきた。議会は行動を起こす必要がある」と、オカシオ=コルテス議員は3月7日のプレスリリースで述べている。
ディープフェイクポルノの被害者を保護するための連邦法はまだ存在しないが、NCOSEのニーロンによると、議会には他にもこのような懸念に対処するための法案が3つ提出されているという。議会はまた、ディープフェイクポルノの増加が女性や子どもにどのような影響を与えるか、また被害を減らすためにどのような措置を講じることができるかについての公聴会を12日に開催した。
ヌードを生成するためのAIアプリやソフトウェアに誰もが簡単にアクセスできるようになった今、AIが生成したポルノは急速に広まっているとニーロンは話す。「アップルのアプリストアには、ヌード化のアプリがいくつもある。マイクロソフトのGitHubにも、悪名高いディープフェイクのツールが溢れています」
1995年に設立されたイーベイの売上高は、2023年に101億ドルを記録し、時価総額は約260億ドル(約3兆8400億円)に達している。同社のマーケットプレイスには、20億件のアイテムが出品され、1億3200万人のアクティブな買い手が集まっている。
ペンシルバニア大学で、メディアが社会におよぼすリスクを研究するソフィー・マドックスは「インターネットの長い歴史を振り返ってみれば、セックスは売れるし、性的なイメージは売れる。イーベイのようなプラットフォームがそのようなコンテンツをホストしているのは偶然ではないと思います」と述べている。
「しかし、有名な女性であれば、本人の同意なしに裸にされ、誰かが同意なしにそこから利益を得ることができるという考え方には、より広い背景がある。そして、そのような被害は誰にでも波及するのです」と彼女は続けた。
(forbes.com 原文)