不振のエヌビディア株に「利益確定」の動き、時価総額18兆円消失

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米国のインフレの沈静化には時間がかかるとの観測が広がる中、3月14日の株式市場では半導体大手のエヌビディアらが株価の下落の最前線に立った。

ハイテク株比率の高いナスダックとS&P500はともに0.3%下落し、ダウ工業株30種平均も0.4%下落した。

この下落は、2月の米生産者物価指数(PPI)が予想を上回る大幅な伸びとなり、インフレの高止まりが示されたことで、ウォール街が待ち望んでいた利下げ観測に冷や水が浴びせられたことで発生した。

14日の市場で、時価総額が2000億ドル以上の米国企業の中で最も大きな株価の下落を記録したのは4%以上下落したテスラ株だったが、半導体大手のエヌビディア(3%安)とAMD(4%安)の株もそれに続いた。

エヌビディアとAMDの株価の下落は、人工知能(AI)を好む投資家が押し寄せる半導体セクターの熱狂が、珍しく後退したことを示している。

主要な半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体指数(SOX)は14日に2%下落して2週間ぶりの安値をつけ、1週間の下げ幅を8%に拡大した。金利に敏感なこのセクターは、長期金利の高止まりの見通しを受けて下落しており、一部の投資家は利益確定に動いている。

エヌビディアの株価はここ1週間で5%以上下落しており、時価総額は約1200億ドル(約17兆8000億円)減少した。

一方、エヌビディア株は、それでもS&Pの構成銘柄の中で最高のパフォーマンスを維持しており、年初来で77%高、ここ1年では265%高となっている。SOXもここ1年で50%高で、同期間のS&Pとナスダックもそれぞれ30%以上上昇しており、投資家が最近のリターンに不満を持つ根拠はまだほとんどない。

14日の市場ではビットコインも同様に急落し、米国東部時間午後4時までの24時間で6%下落した。インフレ率の上昇は、金融当局が利下げに踏み切る可能性が遠のくことを意味する。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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