それから数週間のうちにフランチェスカの件は広く知れ渡った。その後、フランチェスカと母親のドロータは、そうした同意のないディープフェイクのポルノ写真に関する規制を求めるロビー活動を州レベルと連邦レベルの両方で開始した。2人は地元選出のトム・キーン共和党議員から招待を受けて、このほど連邦議会で行われたジョー・バイデン大統領の一般教書演説に出席したりもした。
だがドロータがフォーブスに語ったところによると、事件から5カ月近くになろうとしているが、写真を拡散したとされるウェストフィールド高校の男子生徒たちは、そのうちの1人が1日停学となっただけで、何ら大きな処分を受けていないという。現在に至るまで、この男子生徒らはドロータやフランチェスカに直接連絡していないとも指摘した。
ドロータの説明によると、昨年10月20日にスクールカウンセラーがフランチェスカに、男子生徒4人がフランチェスカのディープフェイク写真を見たことを認めたと説明した。同様に被害を受けたウェストフィールドの同級生(名前は非公表)が、写真合成に関与したとされる男子生徒の1人を相手取って起こした訴訟によると、学校の副校長は被害を受けた女子生徒の母親に「この件について学校の事務室に呼び出された生徒の1人が、女子生徒のヌード写真を見たことを学校関係者に認めた」と話したという(男子生徒の弁護士、クリストファー・アダムスはフォーブスのコメント要請に応じなかった)。
ドロータによると、ディープフェイクのポルノ写真を作成したとされる男子生徒たちは全員、ニューヨーク市から西に約48kmのところにある同校に今も通っており、フランチェスカと同じ授業をいくつかとっているという。
「彼らは女子生徒たちがいる廊下を歩くべきではない」とドロータは話した。
ウェストフィールド公立学校の広報担当者であるメアリー・アン・マクガンは、フォーブスに寄せた電子メールで「生徒に関することは機密事項であるため、関与した生徒の数や処分についての具体的な詳細は明かせない」と述べ「学校側は学区の生徒行動規範に基づき、ただちに調査を行った」とも指摘した。
3月12日に公表された約3ページにわたる証言の文書で、ドロータは学校側への不満を説明。同日午後には連邦議会下院の小委員会でディープフェイクポルノの惨状について証言し「早急な立法措置」を求めた。
「(フランチェスカは)自分がAI被害者の1人だと知らされた瞬間、心細さと無力感を感じた」とドロータは議員らを前に話した。「そして、男子生徒たちが女子生徒たちを笑い物にしているのに気づいた。その瞬間、彼女の悲しみは怒りに変わった」