北米

2024.03.14

「中絶権」を主張する21歳の米女性歌手、ライブで緊急避妊薬を配布

Getty Images

歌手のオリヴィア・ロドリゴは3月12日、ミズーリ州セントルイスのコンサート会場で地元の団体を通じて、緊急避妊薬とコンドームを無料で配布した。同州の中絶反対派はその日、中絶へのアクセスをさらに制限するよう議会に求めていた。

ロドリゴが支援するミズーリ中絶基金は、彼女のセントルイス公演で、コンドームや中絶に関する情報、緊急避妊薬が入ったボックスをファンたちに配布した。

現在21歳のロドリゴは、以前から女性の中絶の権利を守るために声を上げており、現在開催中のワールドツアーのチケット収益の一部を自身が立ち上げたチャリティ基金Fund 4 Good(ファンド・フォー・グッド)を通じて、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の自由を求めるすべての女性たちに寄付すると宣言している。

ニュースサイトVarietyによると、ミズーリ中絶基金は米国全土で中絶の権利を守るために活動する団体の「National Network of Abortion Funds」のメンバーで、同団体はロドリゴの今回のツアーの各地の会場でブースを開いている。

共和党のミズーリ州上院議員ビル・エイゲルは、13日のX(旧ツイッター)の投稿で「娘を持つ父親としてこの動きにぞっとする」と述べた。「中絶は女性を傷つける。彼女は恥を知るべきだ」と彼は主張した。

ミズーリ州は、2022年に最高裁がロー対ウェイド判決を覆し、長年憲法で保障されてきた中絶の権利を否定した後、ほとんどすべてのケースで中絶手術を違法とした。州の共和党は先月、レイプや近親相姦の結果の妊娠を例外としようとする動きを阻止したが、今週初めには、中絶に反対する100人以上のロビイストらがミズーリ州議会議事堂に集まり、中絶薬へのアクセスや体外受精を違法とする、さらに厳しい規制に向けて議員を後押しした。

地元メディアの報道によれば「ミズーリ州中絶廃止」と名乗る団体は、中絶を行った者を殺人罪で起訴できるようにする法案を提唱している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事