揚げ物が飛行機を飛ばすという意味の「Fry to Fly Project」は、日揮ホールディングスの提唱で始まり、国内の企業や自治体が多く参加している。家庭から出た廃食油を国内資源として回収しSAFを作り、脱炭素を目指すというもの。SAFは製造工程から消費されるまでのライフサイクル全体で、従来の化石航空燃料にくらべて二酸化炭素を80パーセント削減できるという、脱炭素の目玉だ。
日本政府は2030年に、国内の航空会社の燃料の1割をSAFにする目標を掲げているが、現在は、国際的なSAF製造大手企業の製品を航空会社が取り合う形となっており、国産化が急がれている。そこで日揮ホールディングスは、2022年、コスモ石油、レボンインターナショナルと100パーセント廃食油でSAFを製造する新会社サファイア・スカイ・エナジーを創設し、2024年下期から2025年に大量生産の開始を計画している。
Fry to Fly Projectは、その運用に欠かせない廃食油回収の大きな力となる。横浜市とJALは、それには「市民の行動変容を促す」ことが必要だとして、回収場所や回収方法の整備を行うことにしているが、第一弾として、横浜市緑区にあるイオンフードスタイル鴨居店に回収ボックスを設置、期間限定でトライアルを実施する。本格運用は6月5日からを予定している。利用者は専用のボトルに廃食油を集めてボックスに入れる仕組みだ。ボトルは繰り返し使うことになっている。
今後は、JALの乗務員や整備士も参加したイベントを通じて、この取り組みの機運を高めていくとのことだ。
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