北米

2024.03.13 14:00

イーロン・マスクもTikTok禁止法案に反発、「検閲と政府による統制」と主張

Getty Images

イーロン・マスクは3月12日、米国の議員らが成立を目指すTikTokの禁止法案を非難し、アプリへのアクセスを制限しようとするこの法案は「政府による検閲と管理」の試みだと主張した。彼は、トランプ元大統領に続いてこの法案を批判する最新の人物となった。

 マスクは、X(旧ツイッター)への投稿でこの法案が「TikTokだけの問題ではない」と主張し、もしもこの法案がTikTokとその中国の親会社のバイトダンスだけを標的としているのであれば「外国によるコントロール」に焦点を当てたものと考えられるが「そうではない」と主張した。

彼は、禁止措置に反対する共和党のトーマス・マッシー下院議員の投稿をリポストしてこの主張を行った。同議員は、この法案の条文を添付した投稿で、禁止の対象が外国の敵がコントロールするアプリのみにとどまらず、そのアプリを米国内で配布、維持、更新する「インターネット・ホスティング・サービス」を罰するという条項が含まれていることを指摘した。その上で同議員はこの法案が、正体を偽ってシステムに潜り込んで攻撃をしかけるトロイの木馬に等しいと主張している。

この法案が成立した場合、バイトダンスは6カ月以内にTikTokを売却することを強制され、それに応じない場合は、米国での配信を禁止される。この措置はTikTokのユーザーや一部の政治家グループからの反発に直面している。

トランプは、11日のCNBCの番組で、国家の安全保障上の懸念からバイトダンスのTikTokを米国政府が禁止すれば「米国民の敵であるフェイスブック」に大きな追い風を与えることになると述べていた。

禁止法案に反発するTikTokは先週「政府が1億7000万人の米国人から表現の自由を剥奪する前に、今すぐ声を上げましょう」と呼びかけるメッセージを、米国ユーザーのアプリ内に表示した。これにより、全米の議員たちのもとにユーザーからの抗議の電話が殺到していた。

しかし、その数時間後にこの法案は下院エネルギー・商業委員会を全会一致で通過し、スティーブ・スカリーズ下院院内総務は、この超党派の法案を1週間以内に下院本会議で採決することを約束した。

TikTokのCEOの周受資(ショウ・ジ・チュウ)は、アプリのユーザーデータが中国政府に提供されているという主張を繰り返し否定している。昨年3月と1月に行われた米議会の公聴会で彼は、米国のユーザーデータをテキサスにある施設に保管する計画の概要を説明し、中国当局がユーザーデータにアクセスしている「証拠を見たことがない」と主張した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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