・私は彼女を助けているだけ。人が正しい道を進むのを助けて悪いことはない(彼女にはそうして欲しくない、私は望んでいないから)
・私のせいじゃない! 間違ったことなどしていない(あれは失敗だった。でも無責任だと思われたくない)
・私は善良な人間であり、ベストを尽くしていると信じている(自分のことが第一)
自己欺瞞の恐ろしさは、自分の精神が無意識のうちに制御されていることだ。人は自分の嘘を本気で信じ、その作用を正当化する。しかしその長期的な悪影響は、短期的な利益をはるかに上回ってしまう。
自己欺瞞のサイクルとは
Behavioral and Brain Sciencesに掲載された研究によると、自己欺瞞が嘘の兆候を隠し、発覚するリスクを減らすことで人を騙しやすくする進化的な特徴であるという。自分に嘘をつく人は、他人を騙すのもうまい。自己欺瞞には、自分が実際よりも優れていると他人に信じさせることで自信を高める効果もある。自己欺瞞は短期的には利益を生むかもしれないが、嘘をつくことは現実の認識を歪めて欲求と一致させることで真実を隠すおそれがある。こうした行動は、自己像のひずみと関連があり、極端なシナリオを妄想することにつながりかねない。自分を過大評価し、約束を破ることを続けていると、恥辱と罪悪の感覚が引き起こされ、時間とともにマイナス思考の独り言や自己像の歪曲を生じさせる。
これが、自分の考える自分と実際の自分との間にギャップを生み出す。しばしばそれは心の葛藤につながり、さらに自分に嘘をつくように仕向ける。自己欺瞞は自尊心を満たし、自分の行動を正当化することでこの矛盾をやわらげ、サイクルは続いていくことになる。
たとえば、少女は自分が学業に優れていると信じているが、ギリギリまで勉強を始めない。しかしそんな自信とは裏腹に、しばしば彼女は場当たり的に課題をこなし、失敗は時間の制約のせいにする。
この行動は、彼女の自己認識と実際の行動との間の認知的不協和を示している。彼女は自分が信じる能力と、先送りにして平均以下の成績しか出せない現実との不一致に苦悩している。
自己欺瞞による無意識のサイクルを終わらせるために、次のことができる。